2016.05.18 WED - 読書ブログ
アダルトチルドレンを克服し毒親から抜け出すために 『母という病』岡田尊司著を読んで


たとえば、いつも優しくしてくれて叱られることはあっても最終的には優しくなでててくれる、何かあったら守ってくれて安心できる存在であったという人もいれば、方やネグレクトとまではいかなくてもめんどくさそうに扱われたり、仕事が忙しくてそんなにかまってあげられなかったり、姑との関係がうまくいかずいらいらをぶつけられたり、様々な過ごし方があり、そういったどちらかというと子どもにとって良くない付き合い方をした場合、その影響は計り知れないものがあります。
そういう育て方をされた場合、不安にさいなまれたり、人と壁をつくってしまったり、無理に明るく振る舞ったり、自信が持てず何をやってもうまくいかないと思い込んでしまったりしてしまいます。私自身先に挙げた例から考えても、冗談や子育て期間内におけるほんの0.1%程度の毒親的対応だったとしても、それが子どもの心に深い傷を負わせてしまうことからしても、幼少期の親との関係性や一つ一つの接し方が子どもにどれだけの甚大な影響を及ぼすかは明らかです。
その影響を受けた後本人次第でそこを変えることはもちろん出来ますが、なかなか変えにくいですし、それが親による影響だと思わないまま過ごしている人も多いのが実際のところです。
子どもは母親に認められたい、そうしなければ死んでしまうことも無意識で理解していますので、母親からの対応が悪いと自分のせいであり、母親が喜んでくれるように変えないとまずいと強く思い込みます。それいう愛情飢餓が子どもの健やかな成長を阻み、自己否定を抱えやすかったり、良い子を無理に演じたり、相手の言葉を吟味せずに受け入れてくれそうな相手を見つけてはとっかえひっかえしたりしてしまいます。
いずれも自分に自信がなく母親から認められなかった、愛情をもらえなかったことが原因となって、他の人にそれを求めてしまいます。そしてそれがかなうことはありません。それは当然の話です。他人であり母親でも父親でもないからです。母親のように受け入れてくれそうだとしても、相手も無尽蔵に愛情を注ぐわけではなく、一人の人間としてお互いに尊重し合っていけず一方的に依存される関係では疲弊してしまいます。そしていつか別れがやってくるか、それを認めたくないから見ないふりをしながら良い関係を演じ続けることになります。

ですが、実際社会に出ていろんな出来事が起こる中で、親の影響による稚拙な判断や行動は、改めて考えてみたり、他人から指摘を受けると浮き彫りになってきます。それだけ深層心理の気づかないところに浸透しています。だからこそ、子どもは愛情をもらえないこと、そしてそれがほんの些細なある日の一場面であったとしても影響が大きくなります。
著者は1歳半までがとくに大事な時期であるとしています。子どもの脳でオキシトシンなどの受容体が、もっとも増える時期であり、そのときに不安にさいなまれるようなことばかり怒ってしまうと基本的安心感をはぐくむことが出来ずに、いつも居心地の悪さを感じ、自分に対しても違和感を覚えることになってしまいます。では今親の影響を受けていてそれを変えたいと思う人はどうすれば良いのでしょうか?まずすることは、自分の抱えている偏りが、母親の偏りや母親との関係に由来すると言うことを悟ることです。

私も家事どころか自分の部屋の掃除もほとんどしないで大学生までずっと実家で過ごしていました。掃除をしなさいとは言われるのですが、最終的にそれでもほっとくと母親が勝手に掃除をしてくれたのです。ご飯を食べるときもすべての用意が調うまで食卓にいくこともないですし、食べ終わったら食器もそのままで自分の部屋に戻ります。それが当たり前でした。
風呂掃除もトイレ掃除もなにもしないで、すべては誰かが勝手にやってくれて当たり前で、それを使いたいときに使うと言うことが私の中での常識でした。一時両親の部屋の布団を片付けると言うことをしていましたが、それもお小遣いがもらえるからでありそうでなければやろうとは思いません。テレビで初めてのお使い的な番組を見たときに、衝動的に買い物に行って褒められたいと思って実行したことはありましたが、お金を得るため以外に進んで何かを手伝おうとしたことは本当にそれぐらいしか記憶にありません。

それぐらい母親との関係は無意識下に組み込まれています。さきほど私の実体験を書きましたが、それぐらい当たり前のこととして意識せずに自然に行動として組み込まれてしまったことは、他者との比較なくして違いを一切認識できません。私も社会に出て仕事をして彼女を見つけ、一緒に暮らすようになってそれがおかしなことなんだと気づきました。
というか指摘されて指摘されて、何度も言われてようやくわかりました。それぐらい意識できないですし、当たり前なので周りの人にどれだけ迷惑をかけているのか認識もしていませんでした。そうやって気づき、それ自体が親のせいであると思えることが次のステップとなります。実際過去の経験の中で親からされた否定的な体験を思い起こし、書き出し、それが親のせいであり、自分が悪くないと思うこと。
これをするだけで自分の中での親に対する認識がだいぶ変わってきます。そして親も一人の人間であり、他の人と変わらない不完全な存在であると認識できるようになるとだいぶ親との関係から独り立ちできるようになってきていると思います。自分と向き合い、親も普通の人だと認め、ネガティブに反応してしまうのをやめること。これらを繰り返していくことで、次第に母親からの呪縛から解放され、ようやく自分自身の人生を歩んでいけるようになると思います。私もそれをしている最中です。気づかないまま中年期、老年期を迎える人も少なくありません。気づけたこと自体にまず喜び、自分の本当の人生を切り開いていくためにも、ぜひ親がいなくてもそれがしたいことなのか吟味してみてほしいと思います。
大下 周平
一月万冊の清水と大学時代からの友人。ゲームが好き。清水にはじめて『こいつには絶対格ゲーで勝てない・・・!』と悔しがらせた男。彼と代表が対戦して勝てる可能性は5%以下。月に100〜300冊ほど読書をし、清水の会社で執行役員としても活躍!
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