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2017.07.28 FRI - 速読多読コーチング

感情に勝つ! 速読多読で論理脳になる ビジネスで成功するためにデータ・ワラント・クレームを理解

速読多読で論理脳になる ビジネスで成功するためにデータ・ワラント・クレームを理解するという動画を書き起こしました。論理的では無いビジネスでよく言われる事。契約書を横に置いといて『仁義だろ』とか『信頼関係が・・・』とかいうフレーズ。こういうものは全て無意味です。ビジネスにおいて絶対的に重要なのはルールであり契約書。そこから外れたものがあってはいけません。もし、ルール変更するなら契約書の変更もする必要があります。

しかし、業界の慣習や個人間の仲の良さとかそういうものが契約書よりも優先されるシーンが多々あります。ビジネスで成功したいならこの契約書を重視する必要があります。例えば金融や不動産業界は契約書が分厚いです。大きなお金を動かしているところをほど契約書がきちんとしています。絶対に契約を守り金を稼げ!それこそが正しい!というつもりはないのですが、少なくとも同じくらいのレベルに立つためにも同じレベルの論理脳を手に入れる必要があります。それについて語っています。

速読多読で論理脳になる ビジネスで成功するためにデータ・ワラント・クレームを理解する
清水:本日は、「速読多読で論理脳になる ビジネスで成功するためにデータ・ワラント・クレームを理解する」という話をします。論理脳は今後世界でますます重要になっていきますね。良くも悪くもこれから経済は欧米化してゆくでしょう。欧米の価値観におけるビジネスは契約書重視の世界です。だからこそ、論理で作られている契約の世界を理解しておかないと大きな仕事はしにくくなります。そもそも、契約書をないがしろにする業界ほど小さいということにお気づきでしょうか?例えば金融とか不動産はすごく契約書がしっかりしていますね。動いているお金が大きいからこそ、しっかりした契約がされるのです。

ビジネスのルールは最終的に法律で決まります。従業員との契約も労働法だし、会社同士の契約も商法とか民法が絡んできます。そう言ったものをより理解していけばいくほど、ビジネスでは有利に立てます。ごく稀におかしなことを言ってくる従業員やお客さんがいたとしても、最終的には裁判所が判断して、法律を守っている方を勝訴させるからです。つまりルールを理解せずにビジネスはできない。これが論理脳が重要である理由の1つですね。そしてもう1つ、最近求められているビジネスは、そこで出される価値が高ければ高いほど、論理的な考え方が積み重ねられたものとなっています。例えば今、どこでも人材が足りていないプログラマーも1つの例です。プログラマーは情報の作り方をしっかり理解している必要があります。プログラミングを理解していなかったら成果物は動きません。同じく、論理的なバックボーンがしっかりしてないとYouTubeのような大きなサービスを作ることはできないし、運営もできません。論理脳を鍛えていけば、ビジネスのルールがわかるだけでなく、より高い価値を出していくことができます。結果的には年収へ高い方向へ行くこともできるでしょう。皆さんが速読多読をするのであれば、それは脳を鍛えるという面でも有効です。

まずは、データ・クレーム・ワラントとは何かというところから説明しましょう。まずクレームは「主張、意見」です。データは「主張や意見を裏付けるための数値」、ワラントは「根拠としたデータの信憑性や裏付け」になります。この3つの言葉を、簡単な例を使って説明しましょう。「風邪をひいたときは暖かくして寝なさい」という主張(クレーム)があったとします。ここで、「温かくして寝るべきというクレームに対するデータはないけれど、おばあちゃん(ワラント)が言ってた」というのと、「暖かくして寝た方が、細菌の活動が×%弱まり、白血球の活動が○%活性化する(データ)と医学書(ワラント)に書いてあった」と言うのでは後者の方が信憑性がありますね。でも、前者のおばあちゃんが町一番の気功師でなんだかわからないけどそのおばあちゃんの言う事を聞いていると治る、というようなワラントだったらおばあちゃんを信じてみようと思う人もいるかもしれません。このように、自分が何か主張をする際は、データがあってワラントがセットでなければいけません。細かくは苫米地さんの『苫米地英人著 ディベート超論理思考』を読んでください。

どんな職場でも、意見を言う場合は必ずデータとワラントが必要となります。昔、私の会社で開発の仕事を請けたことがあったのですが、バグの無い商品を納品したにも関わらず「このシステムを導入した割にあまり儲からなかったから開発費を返せ」と発注元に言われたことがありました。でも、開発中に充分コミュニケーションは取っていましたし、先方の言う通りに作っていたのです。

私がその際に意見した内容はこうです。
「このシステムは御社の言われた通りに一生懸命作りました。それをどう使うかについてや、売上の補償に関してまでは契約には盛り込まれていません。開発費が良かったわけでもなく、そのシステムで生まれた利益を分け合うビジネスモデルだったため、お互いにリスクを負うためにも格安で開発を行ったんですよ。」

しかし、向こうの担当者は「そんなの知るか、金返せ」と言ってきたわけです。私はよく意味がわからなかったので、「その根拠が契約書のどこに書いてあるのか教えてくれ」と伝えました。

平田:契約書に書かれているデータとワラントを教えてくれと言うことですね。

清水:そう、それで向こうの担当者から帰ってきた言葉が「そんなことは書いていないし、知ったことではない。そもそも開発で利益が出なかったのに開発費を返さないで色々言うのは、ビジネスの仁義としておかしいんじゃないか」です。何言ってんだろうこの人はと思いましたね。でも相手は強く出ます。こっちは開発費を払ってんだぞ!!という感じで迫ってくるんです。当時対応していた社内のスタッフも契約について正しくわかりきっていなかったので、「すみません、すみません!どうしたらいいんでしょうか」という対応でした。そうやって恐喝まがいのことを言われ、返せ返せと数ヶ月間言われたり何度も呼び出されたりしたそうです。私はそんなことする必要はないとスタッフに伝え続けていたんですが、一向に事態が解決しないので私から発注元の会社に電話をしました。聞くことは同じく「契約書のどこに書いてあるんですか?」です。それに対して先方が言うのは「知らん。そもそもビジネスの仁義が・・・」だったので、もう怒鳴りました。「うるっせええええ!!!」って。

平田:キレたんですね。

清水:向こうが論理を無視するならもう喧嘩です。「テメェそんなこと言ってうまくいくと思ってんのか?!?!」とキレたわけですよ。相手もびっくりしてました。

平田:結構大きな会社だったんですけどね。他の開発会社にもそういう対応をしていたんでしょうね。

清水:そりゃそうでしょう。だって相手は役員だったんです。それで、その役員に「今すぐこっちに来い!!」と伝えました。「何で行く必要があるんだ?!」って言われましたが「嫌なら訴えてこい」と伝えたら来ることになりました。向こうも訴えたら負けること知っている訳ですね。

平田:あっ、相手もわかってるんですか。

清水:もちろんです。訴えて勝てるんだったら訴えておしまいでしょう。ゴネる場合というのは、法律で負ける可能性が高いときです。脅しとか泣き落としで迫れば法律に頼られずに勝てる可能性があるからです。私がキレたのはそれが理由ですが、相手は相当ビビったらしくて、「訪問するのはいいですが、清水さんとは密室では合わないようにと顧問弁護士からアドバイスされましたので、近くの喫茶店でお願いします」と連絡が来ました。向こうが仁義がどうのってヤクザっぽいこと言っているのに、今度はこっちをヤクザ扱いかよと思いましたね。

平田:密室で会うと監禁とかトラブルになる可能性もあるからということですね。

清水:そういうこと。でもそこの会社の社長とは仲が良かったから、すぐに電話して「おたくの役員からこんな注文を受けて、顧問弁護士から密室では合わないようにと言われ、ヤクザ扱いされたんですよ(笑)」みたいに笑って伝えました。そうしたら向こうの社長から、「うちに顧問弁護士なんていないんだけどな、おかしいな」と言われたんですがね。

兎にも角にもその役員には近所の喫茶店に来てもらうことになり、待ち合わせの喫茶店のマスターに2時間貸切にさせてほしいとお願いしました。4万か5万か細かくは覚えてないけど、お金を支払って正式に借りたんです。ほどなくして役員の人が来た時、「今日ここ貸切なのでゆっくり話せますよ」と伝えたら怖がっていました。そもそも何故私がここまで強くキレられたかと言えば、簡単です。私が法律を理解していたからです。

時には、トラブルが起きた時にそこまで強気に出ないで終わらせることもあります。法律上こっちに落ち度があった場合とかですね。それは私達が法律に従う必要があります。でも、逆に法律上こっちが落ち度がない場合は強く出られます。こんなにハッキリしていることなのに多くの人にできないのは何故かといえば、皆は文字情報に臨場感を持っていないからです。法律などの文字情報よりも、目の前のお客さんが怒っているとか、目の前の上司が怖いと思ってしまうのは論理脳が鍛えられていない証拠です。

平田:清水さんの喫茶店呼び出し事件の話を聞いた時、法律って強いんだと感じました。

清水:法律は相当強いですよ。司法も検察もそれに基づいて動いています。最終的に100億円の金持ちだろうが1000億円の金持ちだろうが警察には負けるでしょう。だからこそ自分のクレームを言う時、それに基づいたデータやワラントがあるということを意識して訓練することは大事です。そうでなければ、いざという時に文字情報ではなく怒りや悲しみなど感情面に臨場感を感じてしまい、そちらを優先して流されてしまいます。だからこそ、ビジネスで成功するためにはまずデータとワラント、そしてクレームの概念を理解しておかないと価値の高い職業につきにくいし、成功しづらいのです。

平田:結局、価値の高い職業は文字情報に臨場感を持っていますからね。逆に感情でどうにかなるような仕事はそんなに大きなお金が動かないということでしょうか。

清水:気分で10兆円とか動きませんからね。友達になんとなく500円ほど奢るだったらお金は動きますが、ビジネスで大きく成功したいと思っている人は論理的な思考を鍛えた方がいいですね。

平田:論理が役立つのはビジネスだけではないかもしれません。最近清水さんはよく体罰の本を読んでいますが、体罰も本当は論理的に対処して教師を罰して良いところを、そうなっていないのは「体罰も愛」という非論理的な意見がまかり通っているからです。自分がビジネスに関わってなかったとしても、親としてこのような立場に関わるわけだから誰にでも論理的な思考は必要ですね。

清水:論理脳を鍛えてないと、さっきみたいなケースでもビビってお金を払ってしまいます。私の会社にも昔びびってしまう人がいて、別の仕事の話の時に相手側が3人とか4人でやってきてお金を払えといってきた事件がありました。担当していたうちのスタッフが「もう払うしかありません社長」というわけですよ。それで私が「なんで払う必要があるの」「法律上関係ないよね」と言うと、「でもーそのー彼らは何をするかわかりませんし、女性スタッフも多いですのでここは穏便にお支払いした方がいいですよ」とスタッフは言うんです。何を言ってるんだって感じでしたね。

平田:でも確かに、誰かが怒るということは非日常だから動揺するのもわかります。私も昔、会社のために借金した時に、少しでも返済が遅れたらウシジマくんみたいな人が来るんだと思ってました。

清水:そんなわけないでしょう。そんな奴は来ないよ。

平田:論理脳じゃなくて、勝手なイメージから不安に結びついているんだと思いますよ。

清水:結局その時には、私がまたスタッフと対応を代わりました。その会社から電話がかかってきたときに直接私に繋いでもらい、実際に私が対応しつつも、そのスタッフが話しているということにしました。同じ男性だから声だけだとわからなかったんですね。それでいざ電話がかかってきたら、最初の「ビ・ハイアの○○です」という部分だけスタッフにやってもらい、渡して貰った受話器から聞こえてくる言葉をただ無言で聞いていました。

それで担当スタッフと対応を変わって、その会社から電話がかかってきたら俺に渡せと言いました。そのスタッフとして俺が対応してやるということをしました。その会社から電話がかかってきて、最初だけそのスタッフに対応してもらい「はい、ビ・ハイアの何々です」というところで渡してもらい、ずっと聞いていました。何だかんだ色々と言っていましたが、無視してiPhoneを近くに於いてゲームをしていました。時折「聞いてるのか?!オイ!!」という声が聞こえてくるので適当に相づちを入れながらまたゲーム。それから40分くらいしてもずっとまだ怒鳴り続けていたので「うるせぇ!!出るとこ出るぞ!!!」って言って切りましたね。

平田:怖っ、これはヤクザと思われなかったんですか。

清水:その時はヤクザとは思われなかったですね。結局法律上こっちの方が強くて向こうが負けているから電話で脅すようなことをしてくるわけです。でも、ゴネるパワーがあるなら訴えれば済む話なんだよ。何故私がこういう対応ができてスタッフができなかったかと言えば、論理脳が鍛えられているかどうかの違いですね。俺に度胸があるわけでもなく、単に法律や論理を知っているだけです。相手がゴネたい理由は簡単で、金をせびりたいんですよ。仕事でいちゃもんつけて金を払えと言いたかったんです。でも。金が目的の人間たちが殴るぞという脅しの雰囲気を出したとしても殴りませんね。金目的じゃなくて、俺の女をとったとかなら殴りかかってくるかもしれませんけどね。私に度胸があったのではなく、お金目的で殴りかかってこないとわかっているから冷静な対応ができるわけです。法律を理解して、論理的な思考があり、クレームに対してデータもワラントもあるから冷静な対応ができるわけです。論理的な思考を気にしていないと、しつこい電話や怒鳴られることでビビってしまいますよね。私に対して、しつこい電話や脅しの対応をした会社はその後倒産しました。清水さんとは喧嘩をしないようにしましょうと言う話です。

クレームを受けた時に論理的な対応ができなかったスタッフは、俺には度胸がないという感じで悩んでいました。何度も言いますが、重要なのは度胸ではなく論理的に考えられているかどうかだけです。知識を持ち、知識を運用することに対して臨場感を持っていれば、自然と心が落ち着いて狼狽えたりしなくなります。

改めてクレーム・データ・ワラントの定義をしておきましょう。クレームは“主張”です。データはクレームを裏付ける“証拠”で、ワラントは使用したデータが正しかったり信憑性のあるものだと示す“根拠”です。論理的思考がなぜビジネスで大事かというと、最終的にビジネスのルールは法律に書いてあり、かわすべき契約書に書いてあるからです。ルールに対して臨場感を持たず、法律に対して臨場感がわかなかったら裁判の時に勝てません。高価格、高付加価値の商品であればあるほど、論理的なものの積み重ねです。例えば一月万冊の動画配信に使用しているカメラのレンズはドイツのツァイスというメーカーのものですが、ツァイスの人たちがニュートン力学とか光学を知らないわけがありません。なんとなくの感覚でレンズを作ったら上手くいった!ということはあり得ません。きちんと知識があった上で作られているから論理的に良いものが出来ているのです。論理を極めれば極めるほど、ルールも理解でき、高付加価値の商品を提供できるようになるから収益も高くなります。また、法律などのいろんなものに臨場感があれば、仕事の現場で無駄に感情的にならなくて済みます。同時に、感情的になって迫ってくるやつに必ず勝てます。

感情で揺らがないということはとても大切です。感情で揺らいでしまうと、大抵判断を見誤ります。恐怖におののくとか、興奮しすぎてテンションが上がっているとか、喜怒哀楽どの感情であっても揺らいでしまうと冷静に判断できません。知識に臨場感を持っていて論理的であればあるほど誤った判断をしなくなります。また脅されても感情が揺らがず、屈しなくなるのも重要です。

これから、論理的で知的なものを積み上げた結果として影響する価値こそがビジネスで求められます。プログラマーとかデザイナー、工学者はその一例ですね。人工知能なんて、数式がわからない人や論理的じゃ無い人には絶対作れません。論理的抽象度が高ければ高いほどバカには必ず勝てる。逆に、論理的抽象度が低いと必ず負けることになります。どれだけ辛くてもどれだけ悔しくても、論理的な人には負けるというのは嫌なものですよね。せっかく読書家として頑張っていこうとしているのであれば、論理的な部分を鍛えて欲しいと思います。ただし論理論理で続けて行き着くところは・・・ロンリーになるかもしれない!・・・と言うと単なるギャグですが、抽象度を上げすぎるとなくとも商売に興味を持たなくなってしまいますね。

平田:悟りを開きだすということですね。インドの山奥に行って資本主義社会には帰ってこないかもしれないと。でもその人なりの中観を手に入れるという手もありますね?

清水:はい。その人なりに仮観、中観を理解して、金とか関係なく世の中に働きかけることを考えるようになっても良い訳です。つまりビジネスで成功するためには程よい抽象度、程よい論理脳が必要と言う事です。抽象度が上がりすぎた例を1つ挙げましょう。例えば今は人工知能が声高に叫ばれておりますが、ミンスキーのこちらの書籍をご存じでしょうか。

平田:マービン・ミンスキー著『心の社会』(1990年)。

清水:ミンスキーは最近亡くなってしまったけど、これはとても良い本です。他に、苫米地さんが留学するきっかけとなった本でロジャー・シャンクが1988年に書いた『ダイナミックメモリ』なんかも有名ですね。要するに論理論理を突き詰めて行くと大体世の中よりも30年くらい先を行くことになるんです。そうすると最早、その人の言っていることは世間には正直よくわからなくて金になりません。でも今になってやっと人工知能だと言われるようになって、ようやくミンスキーやシャンクが考えた論理にハードウェアが追いついてくるようになりました。これからやっとお金になり始めますが、論理が提言されてからは25年、30年経っています。でもこの著者たちからしたら、金になるかならないかは関係なく、とにかく最先端を突き進みたかっただけなんです。

だからビジネスで成功したかったら程よい抽象度が必要です。人工知能だ、ディープラーニングだというのは最近ビジネスで叫ばれてきましたが、こういった内容の最先端を突き進んでいる人から見たらオワコンです。でも今金儲けをしたいならば、人工知能だ、ディープラーニングだという抽象度でも構わないと言うことです。『心の社会』はお勧めだけど、正直、初見はわけがわからないでしょう。このように抽象度が高過ぎれば金儲けに興味がなくなるので、金儲けで自己実現したいのであればほどほどの抽象度と論理脳が必要です。

まあ、そうは言っても金儲けで自己実現できる抽象度や論理脳にまでもいってない場合が多いので、結局どのような本を読めば論理脳を鍛えられるのかという話になりますが、やっぱりデータとクレームとワラントがしっかりしている本を読むことが一番ですね。極端な話、漫画などのファンタジー系の話を1000冊、2000冊読んでも論理脳は鍛えられません。私自身、漫画やラノベは好きだから読むし読んではいけないとは言いませんが、漫画や小説はあくまでも娯楽のために読むものなので、論理脳を鍛えるのには向きません。データ・クレーム・ワラントが揃った本を読むことはいい読書にもつながります。本を数回読んで、今読んだ本のデータ・クレーム・ワラントはしっかりしているのかなと言うのを理解することはとても良い訓練になるので、著者のいっていることに対してどんな根拠があるのかなと探しながら読むのはいいことですね。

平田:あと、オススメの鍛え方は、ニュースを使う方法ですね。例えばカールが西日本でしか売らないと言うニュースがありましたが、カールを西日本でしか売らないことに対して「なんてことだ」と言う嘆きの意見がありました。しかし当たり前のことながらカールが東日本で全然売れていないと言うデータがあって、ワラントとしてカルビーがちゃんと調査をした結果を示して生産をやめたわけですよ。ではカールをいくつ買ったら東日本でカールが復活するのかを考えたら、これから毎日西日本にカールを買いに行けば復活するかなとか、どうカルビーに意見すればいいかなと考えたりできます。カール以外のところでも論理的に考えた方がいいものは沢山あるので、身近で些細な話題であってもデータとクレームとワラントに関して考えることはすごく役に立ちます。

清水:その考えはとても重要ですね。地球温暖化とかについて同じように考えたりするのも大事だし、ニュースに対してもデータ・クレーム・ワラントを考えていくということはとても役に立ちますね。最近考えさせられたことといえば何がありましたか?

平田:細かいもので賛否両論系でいえば、「ノンアルコールビールを会社で飲んでいたら上司から怒られた」という話がありました。上司に対して、「ノンアルコールビールですよみ間違えちゃいましたか」と社員が答えたんですが、その人は会社から反省文を書いて自宅謹慎しろと言われたそうです。それがいいのか悪いのか小さい論争になっていました。正直、このニュースを見たときにはまずこの社員がどれだけの売上を上げていたかによるよなと考えました。全く売上を上げていなければ、上司の感情からしたら腹立つのは当然だと思います。確かにノンアルコールビールはノンアルコールだから飲酒をしているわけではないというデータもあるわけですが、ノンアルコールビールを飲んでいることによって他の社員が影響を受けてビールを飲んでもいいんだとなってしまったら大変だと言う意見もあります。このあたりどうなのかなと考えたりね。他にも最近は、SMAPの一部のメンバーが、専属マネジメントの契約が切れたというニュースもありましたが、そうはいっても復活してほしいという意見もあれば、こういう理由で無理だろうという意見もあります。これもそれぞれデータとワラントを元に2つの意見を考察できる訳です。

清水:それは大事ですね。特に権力が絡むものは大事です。原発関連のニュースとか、どういう風に捉えられているのかも注目に値します。

平田:そういう意味では今日、日経新聞の社説に気になる記事がありました。受動喫煙防止法の整備を急げという記事があったんですが、そこに日本人は受動喫煙がなければ年間1万5000人が死亡せずに済んだと書いてあります。でもそのワラントはどこにも書かれていません。また、「禁煙により飲食店には売上減少の懸念がされているが、調査により売上減少の懸念はない」とも書いてありますが、これもワラントが不明です。

受動喫煙防止へ法整備急げ
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO17818160Z10C17A6PE8000/
清水:なるほど。これは日経の社説ですが、実はここまで大きな問題になるとそれっぽいデータを作ることができてしまうんですね。だからこそワラントをちゃんと考えるということがとても大事になります。例えば受動喫煙の弊害をはじめて述べた有名な論文に平山論文というものがあります。これは厚生労働省の委託研究で書かれたものですが、基本的に今の医学的観点で言うとインチキだ、ありえないと言われている部分もありますね。「副流煙 平山論文」で検索するといかにその論文がインチキなのかがわかります。Wikipediaにすら書いてありますが。私は去年まで嫌煙家でしたが、平山論文のインチキさを知った上で受動喫煙反対と言っていました。でも多くの人は平山論文を気にせず、与えられた情報を受け入れて反対と言っているのではないでしょうか。これはとても勿体ない事です。読書家としてニュースを見ている時も意識しないと頭を鍛えられません。
みなさんも論理脳を鍛えていくためにデータ・クレーム・ワラントがしっかりしている本を読んでいきましょう。私は古典を薦めることが多いのですが、これはデータもクレームもワラントもダメな本だったら数100年、数1000年残らないからというのが理由ですね。まず1000年残ったということ自体がデータでありワラントです。

【視聴者からの質問】速読中に雑念が思い浮かんでしまい、集中力が切れてしまうんですが、読書中の雑念はどうしたらいいでしょうか。

清水:読書中の雑念は無理せず放っておくことです。雑念が出てきたら放っておけばいいんですよ。例えば腹減ったなとかだったら、一旦ストップして飯食えばいいし、眠たければ寝ればいいし、あまり雑念が出てはならぬと考えるよりも読書自体を楽しめばいいのです。「雑念が出てきたから読書自体を楽しめてないことだから一月万冊様には顔向けできないわ」というような感情はいらないということです。

【視聴者からの質問】法律を学べるおすすめの本はありますか。

清水:法律を学ぶおすすめの本はないですね。

平田:『日本人の法意識』はどうですか。

清水:渋いところくるね。でもこの本には法律の条文は書いていません。法律は運用の世界だから、学ぶのであれば条文がないとちょっと違うと思います。例えば相手を訴えたり訴えられたりしていく中で覚えていく方がいいし、人それぞれの法律に関わる事象があるはずだから、その事象を法律に当てはめて、いいか悪いかを照らし合わせてみると面白いと思いますよ。また裁判で勝つ秘訣としては、裁判官や弁護士や検察官が書いた本を読むことです。すると、彼らの立場に立った時に、裁判がどのように見られているかということを知ることができます。これも大事な視点ですね。論理脳になる上でとても大事なことは、とにかくどんどん鍛えていくことです。さっきの開発費の例で言えば、払えよと凄んでくる相手の感情に負けて怖がっていたら、論理脳が負けてしまっていることになります。

平田:挑発に乗っても論理脳として負けてますね。

清水:やっぱりそこで「どうぞご自由に訴えたければ訴えてください」「裁判所でちゃんとやったらいいんじゃないですか」と言える人が論理脳を鍛えている人ですね。

平田:それは『怒る技術、怒らない選択』にも書かれていましたね。

【視聴者からの質問】質問です。人工知能によって弁護士や司法試験はなくなると思いますか。

清水:人工知能が発達しても、人間によって裁かれたいというニーズは絶対残ります。また、現在でも人工知能に過去の判例を洗わせて、昔はこうだったけど今回はこうだと比較するようなことは既にできています。だから裁判などの手間は減っていくと思いますが、人間でないと納得できない部分は必ずあるでしょう。そういうニーズから、最終的にジャッジするのは人間というのは残り続けます。今やビッグデータの分析は人工知能の方が得意です。人工知能は1000000人のデータを分析するのは得意ですが、一方で恋をさせることは一筋縄ではいかないでしょう。抽象的な部分まで理解させて結論を出させるにはもう少し時間がかかりますね。

平田:人工知能の行き過ぎの例は『火の鳥 未来編』ですかね。

【視聴者からの質問】自分はこの前、わけのわからない営業マンが突然来て足の小指を汚させられました。警察を呼びましたが、営業マンは消えていて、警察に説明するのも大変でした。論理脳を鍛えてないと本当に世の中悲惨ですね。

平田:写メと控えておいてクレームを入れるべき案件ですかね。

清水:もっといいのはオートロック二重くらいで管理人常駐のマンションに引っ越すことですね。

【視聴者からのコメント】情報量の多さで感情が揺さぶられることが少なくなりました。感情が揺さぶられるのは情報量の少なさかもしれません。自分だったら揺さぶられたかもしれません。

清水:情報量の多さ少なさというよりかは、どれだけ臨場感を感じられるように訓練しているかです。

平田:他のコメントでも似たようなものがありました。ピリピリして怒鳴られたら怖くなって頭が真っ白になるなど。

清水:相手が怒鳴ってくるのは怒鳴ることが有効だと経験的に知っているからですね。

平田:怒鳴ればこっちのいいなりになると思って行って来ますからね。

【視聴者からの質問】屁理屈と論理的思考の違いはなんだと思いますか。

清水:どういう場合があるかにもよるからこれだけでは答えづらいですね。

平田:ビジネスの場で「仁義だろ金返せ」は屁理屈ですよね。

清水:そうですね。簡単にいうと屁理屈とはデータとワラントがないものですね。

【視聴者からの質問】論理力を鍛えるためには数学するのはいいんじゃないですか。

清水:すごくいいと思います。みんな真面目に聞いていて素晴らしいですね。

【視聴者からの質問】斎藤一人さんの本で特に印象に残っていることはありますか。

清水:みんな斎藤一人さん好きですね。斎藤一人さんの本で面白くわかりやすく説明していたなと覚えているのは、「何かの問題を解決しないと同じレベルで動き続けてしまう」という話です。「そうじゃないそうじゃないというげんこつの雨が降ってくる」という例えを使われていました。要するに抽象度やコンフォートゾーンを上げていかないと同じレベルの問題にぶち当たり続けますよということです。それでは今日も読書!

参考図書
マービン・ミンスキー『心の社会』
ロジャー・シャンク『ダイナミックメモリ』
苫米地英人『ディベート超論理思考』
苫米地英人『魔女の鉄槌』
苫米地英人『「怒らない」選択法、「怒る」技術』
川島 武宜著『日本人の法意識』
手塚治虫著『火の鳥 未来編』

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一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。上場企業役員や投資先企業のオーナー、コーチ、投資家。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。コーチングと読書を通じて色々な可能性をみんなに伝えていきたくてこのチャンネルを運営中。

平田悠貴(ひらたゆうき)東京都出身。吉祥女子高等学校卒業後、学習院大学文学部哲学科卒業。ビ・ハイア株式会社副社長。株式会社スピネル代表取締役。三松真由美の夫婦仲相談所マネージャー。プロのコーチ。イラストレーター、漫画家、アートディレクター。アニメは80〜90年代の作画が大好き。美術館や映画館が大好き。清水と二人でライブに出つつも常に清水より目立とう、主役の座を奪おうとする。趣味の漫画の時間が忙しいので副社長で納まって上げている、という名言を清水に放つ。年収高くなりすぎて起業してくれと清水にお願いされた猛獣系女子。(この紹介文は清水が書きました^^)
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清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。

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