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2017.07.25 TUE - 速読多読コーチング

利益アップの価格戦略 分厚い戦略本を読まなくてもわかる利益アップの為の会計の基礎視点

利益アップの価格戦略 分厚い戦略本を読まなくてもわかる利益アップの為の会計の基礎視点というライブの書き起こしを行いました。価格戦略や会計の話をすると人気がありません(笑)価格戦略や会計の動画は約1ヶ月で1,000〜1,500回以上の再生になりますが、コーチングやアファメーション関連の動画は1ヶ月もあれば2,000〜3,000回再生されます。3,000〜5,000回再生されるものもあります。会計とか営業利益とか価格戦略の話よりも、マインドの使い方とか感情との付き合い方が興味があるわけです。だからこそ、価格戦略の話は重要です。

なぜ、重要かというとそれがビジネスで成功する必須の知識だからです。また、ちょうど良い抽象度のレベルの知識とも言えます。多くの経営者は『ゴール、ビジョン、経営理念』などを漠然とでも必ず持っています。そして、現場のスキルも持っています。プログラマー出身の経営者ならプログラミングはプロです。マッサージ師として起業する人はマッサージのスキルはプロです。こういう現場の知識とスキルはしっかりあります。なければそもそも起業しないでしょう。

しかし、その高いゴールや経営理念と現場の知識とスキルのちょうど中間くらいにある『戦略』というものに関しては多くの人が素人です。これがないとビジネスという戦場でボコボコにされます(笑)なぜなら、高いゴールを持っていても戦略が無ければマネタイズやマーケティングで失敗するからです。また、いくらプロのスキルと知識を持っていても戦略が無ければより強いライバルに負けてしまいます。最強の兵士でも戦略で統率された凡人の兵隊50人いれば間違いなく負けてしまいます。

多くの人は現場の知識とスキルを磨く事や高い抽象度のゴールを考えたりするのは大好きですが戦略については学びません。だからFacebookで投稿してもいいねの数は少ないし、YouTubeの再生回数も少ない(笑)この前、知り合いが脱童貞しておめでとう!みたいな記事をFacebookに上げましたがそれだけで144いいね。戦略関連はそこまで行きません。YouTubeライブも戦略系の話はあまり人気が無い。だからこそ、多くの人が盲点になっているこの部分を学ぶ事はビジネスで結果を出すことになります。でもね、この戦略関係の話は月1,500冊以上の読書をして、15年間ビジネスの現場で実践し、ランチェスター、コーチングの元祖とも言える人達に直接私が会って学んで実践してきた結晶です。再生数やいいねを超越したレベルで凄くいい話をしています。

何が言いたいかと言うと取りあえず今回の1.1万文字以上ある戦略についての記事を読んでいいねして下さい!!!!という事です(笑)

利益アップの価格戦略 分厚い戦略本を読まなくてもわかる利益アップの為の会計の基礎視点
利益アップのための価格戦略についての話ですが、意外と日本でビジネスをやっている人の中で価格についてきちんと考えて設定している人はいません。そもそも自社の価格をちゃんと設定するためにどうすればいいのか、それについて基礎的な視点を持って経営して値決めもしている人は非常に少ないのですが、これはとても勿体ない事です。もっと価格戦略の重要性を知ってもらうために、この話をしたいと思います。

価格を決めるときに価格戦略について書かれた分厚い本を読んでもいいでしょう。ただ今回私が取り上げている本は非常に厚く500ページぐらいあります。他にもいろんな本がありますが、意外と価格について正しく決められている人はいません。また、日本で価格についての本というのも思いの外多くありません。たとえばAmazonで価格戦略に関係する本を検索しても500件ぐらいしか出てきません。もうちょっとわかりやすい「価格」というキーワードでビジネス書のカテゴリで検索するとだいたい3,000件ぐらい出てきます。しかし、「経営」と入力してビジネス書籍で検索すると30倍の94,139件が出てきます。経営戦略とか経営理念とかそういうのを考えるのはとても好まれますし、おそらく多くの人が読んでいるのでしょう。しかし「経営理念を考えました」「自分のコーポレートのゴールを考えました」と言っても、自分の会社の商品をいくらにするのか決定するための正しい視点がない事は、会社経営において非常に致命的ですね。

日本人で非常に成功されている経営者で稲盛和夫さんという人がいます。稲盛さんの言葉に「値決めは経営」というものがあります。更に「経営の死命を制するのは値決めだ」とも稲盛さんは言っています。京セラを創り、KDDIを創り、JALを復活させてまだまだ現役で頑張っている稲盛さんが「生きるか死ぬかは価格で決まる、自社の値決めで決まる」と言っているのですから、これは非常に重い言葉として捉えて良いでしょう。稲盛さんより成功していて金持ちの人であればともかく、多くの経営者はこの言葉を参考にするべきだと思います。

正しい価格の決め方を理解している人が少ない原因の一つに、“正しい価格を決めるための知識自体を日本では収集しにくい”ということが挙げられます。先ほどのように「価格」で検索しても該当する本が少ないですし、多くの人は夢とか戦略とか感謝とか自己啓発系の本を読むのは好きでも、あまり価格に関する本を読もうとはしません。

Amazonのビジネス書のコーナーで経営と入力して検索しただけで9万件ヒットすると前述しましたが、全てのカテゴリの本を対象に「経営」というキーワードで検索すると16万件ヒットします。他に、「感謝」というキーワードであれば、1.8万件がヒットします。しかし「価格」というキーワードを入れると途端に少なくなってしまいます。ビジネス書であれば3,600件ぐらいしかヒットしませんし、「価格戦略」という硬い言葉で検索するともっと少なくなります。この結果からして正しい知識が仕入れ辛いことがわかります。そもそも自分自身の価格を自分自身で決めるということ自体にブロックがある人も多く居ます。自分の会社の商品の価格を決めるというのは何か気が引けますし、個人事業主であっても自分の値段を楽々と決められる人はあまりいないでしょう。皆まずは悩むと思います。そういうブロックがあると、コンサル本に等に従って大抵下記の3つの方法で値段を決めることになります。

1つは市場価格に追従する方法です。同じような商品がいくらで売られているのかと見て決めます。これはたいてい上手くいきません。同じような商品を扱っている時点で競争はそれなりに厳しいでしょうし、かつ市場価格というのはぎりぎりのラインで設定されている場合が多く、金額の設定がしにくいためです。

次によくあるのが、コストプラスというがあります。コストプラスとは、コストに利益分を上乗せして決めるという方法です。例えば3800円の商品で言えば、仮にコストで3000円かかっているとして、利益を800円分乗せるような考え方です。別にこの比率でなければいけない訳ではなく、2000円のコストに倍ぐらいの利益を乗せて4000円と決めても構いません。しかしこれもあまり儲かる形にはなりにくいです。なぜかというと、買う人の視点や競合他社の視点が入っていないからです。お客様無視の商売となりあまり盛り上がらないですし、買った人がお得だと思ってくれるかどうかもわからないでしょう。

最後に良くある価格の決め方は、プライスリーダーに追従するというパターンがあります。プライスリーダーというのは、一番高い会社の商品にあわせて自分の会社の商品をそれよりも少し下げるとか、同じくらいにするといった方法です。他の人達はどれぐらいの価格で売っているのかなということを気にするのではなく、一番その業界で高い商品を売っているのは誰だろうということを考えます。

たとえば、パイプ業界において日本の中では圧倒的な実績を誇るTSUGEというメーカーの一流職人である福田さんが作ったパイプがあります。TSUGEの一番いい職人さんたちが作ったパイプのエントリーモデルは30〜40万円、もっといいものになると80万円とか100万円とかの金額設定がされています。このプライスリーダー追従の考え方を取り入れると、あとからパイプ業界に参入した人達は、そこから考えて自分たちのパイプは20万円ぐらいかなというように、プライスリーダーを見て価格を決定します。

私のいる求人広告業界であれば、だいたいプライスリーダーはリクルートになります。たとえばリクルートが100万円で求人広告を売っているのだとしたら、我が社は80万円ぐらいかなとか、50万円ぐらいかなという風に考えます。コーチング業界で言えば、苫米地さんが600万円とか700万円とかでやっているから、私は100万円かなとか200万円かなとか、という形で決める方法があります。

どんな価格の設定をしても構わないのですが、一つ視点を忘れているところがあると、うまくいかなくなります。それを回避するためにも、利益アップのための価格戦略や、分厚い戦略本を読まなくてもわかる利益アップのための会計の基礎視点を学んでください。利益を上げたいと考えているのに会計の知識が全く無いのは経営者としてかなりまずい状態ですが、そのあたりも含めてなるべくわかりやすく説明します。

たとえば売上が1億円、営業利益率が5%の会社があると仮定しましょう、この会社は年間で営業利益が500万円残ります。ということは、たった5%値引きするだけで利益が0になります。売上を5%値引きすることによって、売上が9,500万円になってコストが変わらないのだとしたら利益は0になります。そういう一連の事を意識して常日頃価格に関しての設定をしていますか?今は会社全体の話でしたが、商品1つにおいても言える事です。1つ500万円、営業利益率が5%の商品があったとしたら、500万円で売れば営業利益が25万円出ます。しかしお客様から「うーん、500万円は高いな。450万円だったら出すよ」と言われたとしましょう。売れたら450万円のお金は入ってきますが、25万円の赤字です。そうなってしまったら経営としては厳しいですよね。これは営業利益ベースの話をしていますが、原価から粗利を引くことだけで考えた場合、500万円の商品を値下げして450万円で売ったとしてもお金が残るような気がしてしまいます。実際はほとんど残らないどころか赤字になるケースの方が多いのです。多くの経営者・個人事業主はこの視点を持たずに経営をしています。売上、値引き、そして残る利益の部分を間違えて考えていると悲惨ということはこういうことです。一見すると利益が出そうな、儲かっているような気になるのですが、実際は赤字というプロジェクトをたくさん抱えている個人事業主の方や経営者の方がとても多いのは、この勘違い故です。

会計の知識がよくわからないという人もいるかもしれませんが、会計はそんなに細かく勉強しなくても大丈夫です。個人事業主であれ経営者であれ、ここ3期分くらいの自分の会社の営業利益率を計算してみてください。仮にそれが5%だとしたら自分の会社の商品は5%値下げして売ったら赤字になるんだという視点をまず持ってほしいのです。5%値下げしたら利益が飛んでしまうので当たり前の話ですよね。まずその視点を持つだけでも大きく違います。自分の商品を売るときに正しい価格の設定について、分厚い本を読んで勉強するのもいいですが、そもそも自分の会社はいくら値引きしたら危険なんだという現場の視点がほとんどの経営者にはありません。この「いくら値引きしたら危険なんだ」という部分だけでもわかっている事が大事です。

たとえば「飲食店 平均営業利益」という言葉で検索すると出てきますが、経済産業省のデータに、売上高営業利益率は飲食店平均で8.6%と書いてあります。中小企業であれば11%ぐらいで、大企業は3.6%だと書かれています。中小企業の営業利益率が高いケースというのは、家族で経営していたりする場合があるので大企業より営業利益率が高くなったりするためですね。

飲食業界、外食産業は特にそうですが、ランチェスター的にシェアを40%以上超えているような企業は存在しません。一般社団法人フードサービスのデータによると、外食産業の市場規模は25兆円です。外食産業における大企業の売上を調べてみると、上場企業の売上高ランキングではゼンショー、つまりすき家が約5440億円の売上で一番高いと出ています。5440億円と聞くと、すごいと思うかもしれませんが、市場規模25兆円から見るとたった2%しか占めていません。マーケティングや経営戦略の話で行くと、圧倒的競合他社が存在しないのが外食産業です。そうなると小さな店舗というのも生き残れて、だいたいそういうところは家族経営が多いので、経費を圧縮しやすいですよね。家族をただで手伝わせたりすることもできるので、中小企業の方が利益が出やすくなったりします。

外食産業で中小企業の平均売上を調べてみると、外食産業における従業員一人あたりの売上高は全国平均で562万円だと、経済産業省が発表しています。これは中小でも大企業でもほとんど変わりませんね。そういう風に見てみると、外食産業は大企業と中小企業の差がそんなにない業界だとわかってきます。仮に1個500円とか1,000円とか、あるいは1杯1000円のバーとか、中小企業でやっているところの平均営業利益率が11%だとすると、1000円の定食お得にしようと50円値引いて950円で売ってもまだ赤字ではありません。ただ吉野家とかすき家とか、そういうところが5%も値下げをしてしまったらもうこの計算で行くと赤字です。マーケットによっても値下げ幅というのは変わってきますが、まず単純に3期連続の営業利益率を調べて、そのパーセンテージ以上値下げをしたら赤字になるとわかったら、まずは大丈夫です。

日本の製造業の営業利益率は、中小企業も大企業もだいたい4%です。製造業は、パンやお菓子を製造しているところや、飲料やたばこ、飼料を製造しているところも含まれますので、日本の会社は「製造業」に含まれます。あるいは情報通信産業も多いかもしれません。情報通信産業の営業利益率は6%ぐらいです。私の会社のお客様も、多くはゲームやIT系なので、情報通信産業ですね。自分の所属する業界や自分が所属する会社の平均営業利益率を調べて、その営業利益率以上に値引きをすると赤字になるから危険だという視点をまず持ってください。これはものすごく大事なことですが、その視点を持っている人ほとんどいません。むしろ平気で値下げをしてしまいます。

たとえば、3000万円のプロジェクトがあった場合に、予算もあまりないのでできれば2800万円で作れないかとか2500万円くらいで作れないかとか、平気で発注サイドが言ったりします。5000万円のプロジェクトだとしたら1割値引きして4,500万円ぐらいでできませんか?といわれたら、多くの会社がそのままの価格で受注してしまいます。受注してしまった場合、1割も安くしてしまったのであれば確実に赤字になります。なんとなく原価とか粗利ベースで考えると、利益が出そうな気がするのですが、基本的にはうまくいきません。これを続けてしまうと、蓄積によって相当影響が出ます。

蓄積によっての影響について詳しく説明しましょう。「売上1億円、営業利益率5%、年間営業利益500万円」の会社が2種類あるとしましょう。全く値引きをしないのがA社、受注のために5%の値下げをしたのがB社です。10年経ったら、A社は営業利益5,000万円、税金を差し引かれたとして約3,000万円のお金が残っていますが、B社は10年経っても利益0円で自転車操業です。実際には借り入れなど色々とするので、もっとキャッシュの差がるでしょう。キャッシュの差が出てくるということは、A社は設備投資やスタッフに払う人件費などに厚みをもたせることができるということです。

1000万円の商品をたった5%値引きしただけで、営業利益が0になってしまう会社は、かなりカツカツで経営しているでしょう。値引きをしない会社がちゃんと利益を残し続けた結果、年間500万円利益が残ります。仮にそこの会社の従業員が10人だとして、10人に対して一人あたり20万円のボーナスを支給しても、まだお金が残ります。逆にカツカツで経営しているところは、どんどんジリ貧になっていきます。人材にボーナスを支給できないし、給料も高く出来ないということは、人が利益を残し続けている会社にどんどん流れていってしまうということです。

たった3%とか5%の値下げをして売上を上げても、原価ベースで粗利しか計算しなければ利益が出そうな気がしてしまいます。5年も10年も経営をしているのに、なぜかお金が残らないという人は、その3%とか5%とかを値下げすることによって受注できることを優先して、営業利益を考えていないことが本当に多いのです。そう言うと、「いやいや、うちは値下げをしないとだめだから、コストダウンで対抗するんだ」と言われるかもしれませんが、ほとんどの中小企業は、家賃も安いところに住んだりしながら、相当コストダウンをしているので、削減するのは難しいでしょう。営業利益率が5%くらいの会社で「社長が役員報酬を5000万円取っているので営業利益が低い」というところはほとんどありません。役員報酬が高いわけでもなく、無駄遣いをするわけでもなく、仮にしたとしても社長が居酒屋に飲みに行く程度で経営しているわけです。そんな状態は苦しいのに、何故苦しいかわからないので余計に営業を頑張るのですが、営業時にたった3%とか5%値下げすれば受注できるという思考パターンのせいで、余計に苦しくなり結局自転車操業が続いてしまいます。

当たり前の会計の視点を持っているという経営者がすごく少ないので、こういうことが起きています。営業利益を2倍にするというと、ものすごく大変な気がしますよね。でもどうすればいいのかと考えたときに、実はすごく簡単で、たった5%値上げするだけなんです。「売上1億円、営業利益率5%、年間営業利益500万円」の会社なら、今の商品をたった5%値上げをするだけで営業利益が1000万円になりませんか?コストが変わらないのであればなりますよね?

まず、値下げをしないことについて知恵を絞りましょう。値下げをしなくても売っている会社はたくさんあります。そういうところほど、ちゃんと残っています。値下げをして利益が出ていないと思っているところほど、値下げをしない工夫をしましょう。値下げをしないというのは簡単で、コーチング的に言うと「値下げをしないと決めること」です。経営者が絶対に値下げをしないと決めるだけでいいです。値下げをしてくれたら発注するという会社があったとしても、そこは断ります。断るというマインドを持っていたら、値下げをしなくてもつきあってくれるお客さんが必ず出てきます。その勇気がほとんどの会社にはないので、値下げをして受注して苦しんでいるということになります。

次に、コストはそのままの状態で5%の値上げをする知恵を絞ります。これは営業利益5%の会社の話をしているので、5%という例にしていますが、別にそれ以上でも結構です。3800円の商品を売るなら5%の値上げで3990円。その方法くらい、知恵は絞ればすぐに出てきます。この本が3800円なのか3990円なのかは、購入者側からすればそんなに悩むポイントではないでしょう。兎にも角にも、5%値上げのために知恵を絞ることが重要です。

そして、何より値下げをしないぞと決めることが一番大事です。それだけで、多くの場合利益が上がります。値下げをしなくても買ってくれるお客さんは絶対にいるので、そういうところにだけ営業に行けばいいのです。この件で重要なのは、会計の知識がないせいでたった数%の値下げで経営は地獄になるということがスコトーマになっているということです。「5000万円だったらちょっと高いから4500万円だったら注文するよ」というお客さんはありがたいのではなく、地獄からの使者だということを、知識としてすら知らない人がほとんどです。それを知っていたら値引きをしてくるのは怖いお客さんになりますよね。値引きをしてくるなんて、悪魔だ、鬼だ、という感じで認識できるようになります。これを読めば知識が入ってマインドも変わるでしょうし、これまで話したことを考えて経営をしていけます。

【視聴者からの質問】会計についての知識がほとんどありません。オススメの本は何がありますか?

「会計の本」と検索してみてください。それで出てきた本を3〜5冊読むだけで十分ですね。

【視聴者さんからの質問】これからビジネスをしようと考えたときに、まずは安くして人が来なければならないと考えていますが、これは間違っているのでしょうか?

どれぐらい安くするのかにもよります。もしかしたら、当初は自分の会社の営業利益以下にしてしまったとしても、お客さんが来た方が嬉しいと思うかもしれません。ですが、何度も言うようにそれは一見繁盛するように見えて地獄です。10年働いても1円も儲からず、借金しか残らないということですから、私はオススメしません。それがWant toだという人は少ないでしょうし。

安くしてでもお客さんが来なければいけないと思った気持ちはわかります。知り合いのコーチや個人事業主の人達にも、お客さんが来なかったり商品が売れないと恥ずかしいと思っている人が結構います。これは別でも話しましたが、私が東京や京都のリッツカールトンで開催したシガー会や速読コーチング少人数セミナーも、4.5万円とか5万円で開催しましたが1人もお客さんが集まらなくてもいいのです。あれをもしも人が集まらないからといって、集めるために1人2.5万円に設定しては絶対にいけません。安くしてしまうことによって自分のブランディングが崩れるし、エフィカシーも下がるからです。「自分が決めたこの価格で売りたい」「それだけの価値があるし、これだけ利益が出ていいんだ」と決めて、その価格で出し続けましょう。そしてその値段で売るために知恵を絞りましょう。コーチング的に言えば、目標やゴールを下げないということです。安くする方法は簡単に見つかりますが、それはゴールを下げているからです。ダイエットに例えれば、痩せると決めていても食欲に負けて甘いものを食べちゃった方が簡単ということです。同じように、会社の目的についても、価格についても、ゴールも下げない。この価格で集客すると決めます。決めたということは、それだけの価値が出せると思っているということですから、そのままの価格でやっていった方が絶対に良いでしょう。安易に最初の頃にお客さんを集めたいから値下げをするというのは、やめた方が良いでしょう。

私は起業した時、フリーのコンサルタントとして稼いでいました。その頃の受注料金は週1か2週間に1回のコンサルティングでだいたい70〜80万円でしたが、値引きしていません。客が取れなくてもこの価格でいいと思っていました。逆に価格を半額にしたり20万円とかにしたりして、コンサルティングの仕事が取れたとしても、貧乏になるための仕事をしても仕方がないですし、何より嫌でした。多くの人は値下げをしても貧乏になるとは思っていなくて、少しだけお金が大変なだけだと思っています。売上として沢山のお金が入金されるので、お金があるように思いますが、前述したようにこれは勘違いです。ですからビジネスを始めるときに自分で決めた価格を下げてでも、集客をした方がいいというのは、私はお勧めしませんっ。

この話は私が10何年経営を続けて、何万冊という本を読み、高収益を出して確立した素晴らしい方法論ですが、よく無料で配信しているなと我ながら思います。価格戦略の話なのに無料で配信しているってすごいことですよ。

【視聴者さんからのコメント】コーチングとか安くしないとお客さんが来ないんじゃないかと思って安くするのですが、どちらにせよ戦略が悪くて来てもらえていないので、戦略をちゃんと見直して価格戦略なども色々見直し中です

コーチングとかコンサルティングであれば特にですが、安くたくさん来るぐらいだったら、高くて1人も来ない方がまだマシです。特にコーチングとかコンサルティングであれば、安くたくさん来るより高くて1人も来ない方がまだマシです。10年20年という長期的な仕事のスパンで考えると、ずっと続けて貧乏な仕事と、ちゃんとやって儲かる仕事だったら後者の方が良いでしょう。短期的に今大変だからといって安く集めてしまったら、客は入って小銭は入金されても、大変ですよ。

【視聴者からの質問】デザイン料は赤字でも商品の販売で黒字を見込むという薄利多売のやり方はやっていて大丈夫なのでしょうか?今の会社では赤字分を回収し切れていないように感じます。

ほとんどの会社が回収し切れていません。中小企業の5〜6割は赤字と言われているぐらいですから、ほとんどの会社は赤字です。ちょっと値下げをしていってでもお客さんを取った方がいいんだと多くの社長は思っているかもしれませんが、そのせいで経営が苦しいのです。でも、実際楽なのはゴールを下げる方です。「値引きしない!この価格で行く!」と続けるよりも、「ちょっと安くしたら仕事を取れるなら、そうしよう」と思う方が楽です。ダイエットと同じです。「痩せるぞ。このカロリーまでしか摂取しない。糖質は避けるぞ」と思っていたけれども、「まあ、いいか」といって食べてしまう方が楽ですよね。利益をアップさせていきたいのであれば値引きをやめましょう。自分の適正な利益率をちゃんと把握した上で利益も出る形でちょっと値下げをするのであれば、まだいいでしょう。稲盛和夫さんも言っているとおり、値決めは経営です。「経営の死命を制するのは価格である。値決めである。価格設定である。」という稲盛さんの言葉はかなり大切です。

【視聴者からの質問】専業主婦が旦那さんをお金持ちマインドにするにはどうすれば良いでしょうか?

今回の話とずれますが、簡単に言いますと貯金することです。浪費をやめましょう。お金持ちマインドは簡単で、10万円しか収入がない人が1万円残っていたらお金持ちです。100万円収入がありますが、毎月1万円クレジットカードのリボ払いが残っている人の方が貧乏です。収入の多さで決まるのではなく、ちゃんと収入内で利益やお金が残っているかが重要なポイントですから、浪費をしないのが一番です。

【視聴者からの質問】清水さんは、お金を稼ぐというのはどういうことだと思いますか?

簡単です。社会に価値を出すということですね。社会に価値を出すことによって、世の中資本主義なので勝手に価値が通貨に変わって入ってきます。お金を稼ぐということは社会に価値を出すということです。

【視聴者からのコメント】確かに、値下げしてでも仕事があるという方が優先になっています

その気持ちはわかりますが、別の人が言っているように貧乏暇無しになっても大変でつらいのを自覚して下さい。やめた方が良いでしょう。

【視聴者からのコメント】コンビニでバイトをしているけど、客層を選んでいないのでそれによっていらぬトラブルやストレスが発生します

コンビニはそういう戦略ですから、それでもセブンイレブンやローソンは高い営業利益率になっています。大手が誰にでもお客さんを相手にする場合は客層を選ばなくても良いのですが、この配信を見ている多くの人はセブンイレブンよりは規模の小さい中小企業で勤めているでしょう。セブンイレブンよりも大きい会社に勤めているという人はそんなにいないと思いますので、中小企業で働いている人に向けた配信になります。大手はまた別です。

日本のほとんどの企業が中小企業なので、中小企業が赤字から脱するためにはこの最低限の価格の知識を知ることです。価格が少し下がるだけで赤字になるということは、何度も強調しますがそれほど重要なことです。数%安くしたら発注をしてくれるお客さんは、会計の知識がないとすごくありがたく見えますよね。でも、そのマインドが危険だということです。それは全然ありがたくありません。会社の経営をめちゃくちゃにする地獄への第一歩です。それぐらい値下げというのは、自分の会社の経営を圧迫するということを、ちゃんと理解してもらいたくてこの話をしました。今日も読書。

・参考図書
『価格戦略論』ヘルマン サイモン (著), ロバート・J. ドーラン (著), Hermann Simon (原著), Robert J. Dolan (原著), 吉川 尚宏 (翻訳), & 1 その他
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一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。上場企業役員や投資先企業のオーナー、コーチ、投資家。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。コーチングと読書を通じて色々な可能性をみんなに伝えていきたくてこのチャンネルを運営中。月1,500冊以上の読書をして、それとは別腹で漫画も毎月数百冊読む。趣味はパイプ、葉巻、ドライブ、喫茶店&本屋巡り。
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清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。

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