2016.05.06 FRI - 速読多読コーチング
コーチングと努力について 不安と不満を根性で乗り越えるのがコーチング?
私が始めて本格的にコーチングに取り組んだのは努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方という苫米地英人さんの本でした。
努力無しで成功できる?なんてお手軽なんだ!と思ったものです(笑)当時の私は起業して2〜3年目くらいでした。新卒の頃入った会社で営業マンとして年間4000時間以上働いて年収1000万以上稼げるようになりました。
その後、更に自分の目標のために起業し、それ以上年収を上げて、もっともっと大きな事を成し遂げたい!と思っていた20代後半の頃に出会った本です。非常に思い出深い本で、アファメーションの書き方や現状を超えたゴール設定をするためのワーク等が掲載されているのでオススメです。
しかし、です。どう考えても努力してるよな、俺、と最近思います。あれから8年経ちました。あの本を読んでいた頃は杉並区の自宅兼事務所で仕事をしていましたが、東京に出て来た頃から目標だった表参道に家を借りて、事務所を南青山に借りました。元々読書好きでしたが、8年前は月50冊読めば多いな〜と言う感じです。それが今や500冊だと少なすぎる、1000冊超えて普通。1500〜3000冊読まないと何だか少ないなあ、と言う感じです。
ビジネスも随分上手く行き、自分の会社以外にも会社を持ったり、上場企業の非常勤役員をお願いされたりと、まあ、世間で言えば成功者です。年収1000万を超える方法!なんて本を本屋で見つけると微笑ましくなってしまいます。
セルフコーチングを本格的に実践して8年。成長した!という確信もあります。8年後しどころか、半年前の自分と比べても成長した!という感じがします。
じゃあ、努力ゼロだったのか?というと全くそうではありません。この8年間で何万冊という本を読みました。ビジネス書ばかりでは無く、アリストテレス、プラトン、ソクラテス、孔子、孟子、仏陀、親鸞等を始めて読み込もうとしたときは強烈な眠気との戦いでした(笑)
マックス・ウェーバーやジョンロック等なんて何を言ってるのやらちんぷんかんぷん。新約と旧約含めて聖書を読み込み、他にもトマスアクイナスを始め聖書について語ってる人の本を読みまくり、西洋文化、哲学とは聖書・キリスト教が根底に流れていると言う事を理解・体感するまではサッパリ分かりませんでした。
この読書の過程1つ取っても端から見れば『努力』以外の何ものでも無いでしょう。今では時間にかなり余裕がありますが、その当時は会社も盤石とは言えない状況で、時間を作り、家にいると眠くなるので近所のファミレスに行って珈琲飲みながら本を読むのです。それでも眠い・・・(笑)どう考えても努力です。
他にも自社のビジネスモデルを抜本的に変えたときもすごく大変でした。会社潰れるかも・・・という不安との闘いです。しかも、一緒にいる仲間はその重要性や不安について何も共感してくれません。社長の私一人でその不安に取り組みつつ、新しい挑戦をやりながら、会社を維持させつつ・・・というのは死ぬほど大変でした。
これも端から見れば『努力』以外の何ものでも無いでしょう。不安と闘いながら資金繰りをなんとかしつつ、新しいビジネスモデルに挑戦する。多くの会社が今のままでは良くない、、、と思いつつ同じような仕事をずっと続けていますが、その気持ちが痛いほど分かります。それは怖いのです。不安なのです。今まで築いたビジネスのキャリア全てが吹き飛ぶかもしれない・・・そういう不安に打ち勝つのは並大抵の精神力では成し遂げられません。
努力は要らないなんて事はない!これは苫米地さんの本を全て読み、ワークスにも参加し、ルータイスから直接教えてもらった私が言うのだから間違いありません(笑)
しかし、じゃあ、苫米地さんが嘘を言ってるのか?それは違います。努力という言葉のとらえ方を間違えているだけです。私がやってきたことは間違い無く努力です。それは端から見れば、と言うだけであって無理矢理やらされた物ではないのです。
よく、コーチングはWant toで自己責任で・・・と言われますが、私の様な創業社長は基本的に自分の会社の大株主です。自分の会社の大株主で、自分の責任で銀行の保証人になり仕事をしています。何かに挑戦する=自己責任というのがなりたちやすいのが私の様な起業家です。無論、そうじゃないのに起業してHave toでブツブツ言いながら仕事をしている社長もいますが、それは正直理解出来ません。起業出来るくらいのバイタリティがあるのにHave toで経営してるならどこかの会社で働いた方がいいです。
でも、よく見ると苫米地さんの本やルータイスの本にも『努力しろ』と書かれているんです。例えば日本語に翻訳されていて、苫米地さんも監訳している『ルータイス版アファメーション』と言う本があります。これの第一章にバッチリ
簡単ではない
努力が必要だ
簡単そうだと思うかもしれないけど大変だぞ
と書いてあります。努力が必要と書いてるじゃん!と言う事です(笑)ただし、努力するのに取り組む価値があることだ、とも言っています。
他にも苫米地さんの著書なら少し古い本ですが『世界一簡単に目標がかなう成功脳の作り方』にも同じようなことが書かれています。この本には
成功するのに努力はいらないと言ってきましたが、現状を超えるためには、コンフォートゾーンをずらす努力が必要
とバッチリ書かれています。ルータイスも苫米地さんも努力は必要!と書いているんです。
コーチング、アファメーションは魔法の呪文ではない
これは日本のコーチングのマーケティングの仕方にも影響がある事ですが、コーチング、アファメーションが成功するための魔法のように思われています。掃除をしたら成功する、トイレを綺麗にしたらお金持ちになる等と同じような感覚で『アファメーションを唱えていたらあっという間に大成功』みたいな間違った印象があります。
ちょっとまってください。ルータイスのコーチング理論は元々アメリカ軍に導入されています。アメリカ軍の訓練などをネットで検索してみてください。どう考えても過酷です。努力なんて言葉では言い尽くせないくらいとてつもなく大変そうです。こういう状況でも『俺は最強の軍隊の最強の兵士だ!』とアファメーションする。それが元々のルータイスのコーチング理論です。努力が要らないわけがない(笑)
コーチングのいいところは現状を超えた夢を叶えられることです。現状を超えるというのは簡単に言うと魚が陸上に上がって両生類に進化するようなものです。どうかんがえてもしんどいし、努力どころか、生命の危機です。それでも現状を超えたら海だけではなく陸の上のご飯が食べ放題!という最高の状況を手にすることが出来たのです。
魚が両生類に進化した!では分かりにくいと思うので、私の昔の話をしましょう。端的に言って私はモテたかったのです(笑)モテモテになる!というのは私にとって想像もつかないくらい現状を超えたゴールでした。これは苫米地さんの本を読む前のエピソードで社会人になって1〜2年目くらいの話です。私は大学時代から付き合っていた彼女と別れました。
始めて付き合った彼女す。学生時代から3〜4年ほど付き合った彼女ですが、私はベンチャー企業で営業マン、彼女は国公立大学の理系の大学院に進みました。可愛い彼女で魅力的でしたが、残念ながら社会人になってからは生活が違いすぎて別れることになりました。すごく悲しかったのを覚えています。
その時私は強烈に『このまま俺は遺伝子を残せず死ぬ!』となぜか思ったのです。いや、本当に追い詰められました。仕事は仕事でしっかりやり続けていましたが、とにかく不安、恐怖におののきました。そんなのは嫌だ!俺はモテモテになりたい!と現状を超えたゴールを設定したわけです。
当時はコーチング理論なんて全く知りませんでしたが、20歳まで童貞で始めて付き合った彼女と別れたばかりの私にとっては明らかに現状を超えたゴール設定でした。
そのゴール設定により突き動かされた私がやったことは
1日200人ナンパ(2-3ヶ月間毎日やり続けました)
モテるために50〜100人以上付き合ったというモテモテの人達を探して何人からもてるための秘訣を聞く
モテ本を100冊以上読む
ホストクラブに行ってホストにもてる方法を聞く
男性視点になると良くないので30才以上で魅力的なモテてる大人の女性の視点から『魅力的な男とは何ぞや?』という事を聞く。しかも一人だけではなく多くの女性からヒアリング。
などなどなどなど・・・これを努力と言わずとして何と言う!という事をやりました。その結果どうなったかというと・・・現状を超えた夢を叶えたのです!(笑)詳細は省きます。
まさに20歳まで童貞だった私にとってそれは魚が陸上に進化したくらいの革命でした。なんせ私は中学校は不登校児で高校は通信制、一般的な青春なんて何?というくらい恋愛に疎い人でしたからそれはそれは進化したのです。
私は恋愛相談を良く受けるのですが、モテたい!と言う人に私のエピソードを話すと『それは無理』と諦めます。ゴールが低いんでしょう(笑)当時の私はとにかくゴールから来るWant toに突き動かされていたので努力が努力ではなかったのです。
学生だった私が年収1,000万円を突破したときも年間4000時間以上仕事をやっていました。朝6時から働いて24時終電まで働いていました。でも、努力だとは思ってなかったのです。
でもやっぱり最初は怖いし嫌だ(笑)
ただし、ゴール設定をいくらしたとしてもやっぱり最初は怖いんです。ナンパの一人目は足がすくみました。営業マンとして働く際に知らない会社に訪問して自分の商品を売るのも怖かったです。起業して借金して仕事をするときも怖いし嫌だった。始めて古典を読み込もうとしたときも眠かったです。
それでも『これは私が選んだ事だ』『挑戦している私は偉い』とコンフォートゾーンを『根性』でズラしているとある時突然『あれ?成功したじゃん!』という空間にいる自分に気づくのです。
不安と不満が出たらコーチングは成功している
多くの人はゴール設定をしても最初に不安と不満が出て来たら『うわ、嫌だ・・・』と足踏みしてしまいます。あるいは殆ど挑戦もしてないのにゴール設定したけど不安と不満が出てくると『これは本当のゴールではないのではないか・・・』とうんうん唸っています(笑)
断言しますが、挑戦もしないのにゴール設定をして諦めて、本当のゴールはどこかしら、なんて探すのは時間の無駄です。青い鳥を探してるだけ。一生『私の本当のゴールとは・・・』と同じ場所で足踏みしたまま年を取って終わりです。多分おじいちゃん、おばあちゃんになっても『私のゴールは何かなあ』と言ってるでしょう。
最初に不安や不満を感じたとしても、それでも自分が設定したゴールなら数ヶ月間はその不安と不満にセルフコーチング、セルフトークを整えながら挑戦してみてください。本音を言えば1年間は真剣に取り組んでから『やっぱり違った』でもいいじゃないですか。私が社会人になったときの最初の目標は『アニメが作りたい!』でしたが、それは違いましたよ(笑)
アニメ作りを実際にやり、仕事としても携わりましたが『こんな面倒くさいこと大変すぎる!』と思いました。でも、そこまでいって始めて私は『あ!私の次にやりたいことはこれだ!』と心から思えたのです。そしてそれからの方が明らかに年収、時間、教養、趣味、さまざまな部分でのコンフォートゾーンのレベルが上がりました。
不安と不満が出ても、根性でセルフトーク!(笑)それがコーチング的に違うと思うならリラックスしてアファメーションしてください。自分が最初に設定したゴールを少なくとも1〜2年は真剣に取り組んでみてください。少なくとも私が最初に掲げた社会人のゴール『アニメを作る』を設定したのは22才でしたが、実際にアニメ作りに挑戦出来たのは6〜7年経ってからでした。モテモテになりたい!と言っても魔法のように突然モテたわけではなく、何人もの女の子にアプローチをかけられるようになるまで2年はかかりました。
最低でも1年。できれば5年は真剣に取り組んで欲しいです。実際苫米地さんの本にもセルフコーチングで結果が出るのには1〜2年かかる、と書いています。この文章はせっかくコーチング理論という素晴らしいツールがあるのに、それを実践しようとして1ヶ月どころか1週間も経たないうちに続けない人がいるので書きました。みんなが現状を超えたゴール設定をしてそれに挑戦し叶えていく世界は最高に素晴らしいと思います。そんな世界に1つでも近づけばと思って書きました。それでは。
清水 有高Yukou Shimizu
ビ・ハイア株式会社 代表取締役
一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。
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