2018.09.11 TUE - 速読多読コーチング
本当にやりたい事は、自分への呪いと祝福を正直に受け止めて見えてくる。
三つ子の魂百まで、とはよく言うけども2〜3歳の頃が私の地獄のピークだった。その地獄を経験した後に、更なる地獄の延長線上があり、そして地獄に耐えられず学校に行けなくなり、中学校はほぼ3年間丸ごと不登校だった。その子どもの頃の地獄を経験した故に手に入れたものは私に何があったのだろう?
それは簡単に箇条書きに書くと
1 自分が辛くても寂しくても他人が笑顔を求めてるなら笑顔でいられる能力
2 高ストレスに晒されても乗り切るパワー
3 自分がしんどくても他人の気持ちを慮る能力
4 感情に振り回されず分析し、思考する能力
と言うものになる。2歳の頃、両親は喧嘩し私がその仲裁を行っていた。にもかかわらず3歳の時に父親は出ていった。私はその時泣き叫んでいたのを覚えている。これが私の人生の記憶にある限り最高の失敗体験だ。全力で努力をしても愛する人が離れていくという経験。
しかし、子どもながらに無理をして良い子をしていたので両親の喧嘩の仲裁などが出来たのだけど、周りから見れば利発な良い子だ。だから父親が出ていったときに周りの大人から
有高君が父親代わりとなってお母さんや弟を支えなさい
と言われたのだろう。地獄の上に地獄の上乗せである。これを全力でやり遂げるためには自分が辛くて悲しくても相手の事を優先する必要がある。感情に振り回されて泣いたり怒ったりすることは許されない。また、ストレスで倒れることも許されない。
自分が辛くても相手のことを慮り、相手が望むことを行い、相手に共感し、それでいて冷静に考えて行動することが必要だ。父親が出て行ったことだけでも大事件なのに、その上母親までいなくなったら私としては自分が死ぬくらいの事だ。私は自分の生存をかけて死の恐怖に打ち勝つべく全力を尽くしていた。
この時に鍛えられた能力はその後遺憾なく発揮されてビジネスマンとして成功するいい土台となった。
私は最初に入った会社が売上年間600万で赤字2,000万、更には私が入社して2ヶ月で社長と私以外潰れかけだから全員逃げるように辞めた。その上社長から銀行の連帯保証人になって欲しいとお願いされ、それでもお金が足らない時は武富士などの消費者金融から29%の金利でお金を350万近く借りて会社に突っ込んでいた。
更に、売上ナンバーワンで支えていても新しく採用した年上のスタッフ達から社内でいじめに遭い、それは1年続いた。売上を上げても、お金を出しても評価されずいじめられる。このような高ストレスの状況でも乗り切れたのは過去経験した地獄を乗り切ったからと言える。実際、乗り切った後にこの会社は売上も上がり、利益も数千万出るようになり、私も年収1000万円超えた。
普通なら逃げるだろ!!という所で
社長も大変出し頑張ろう
可哀想だから手伝ってあげよう
と思ってしまうのだ。
他にも起業してから負債を1.4億円負った時、地獄のような思いだった。お金を返すのか、それとも死ぬのか・・・と言うくらいだったけど自分を鼓舞し、乗り切った。誰もが自己破産を進めたが、私はそれを良しとせずに乗り切った。
この負債を完済した1週間後に311の大地震があって原発事故がおきて暗澹たる気持ちになったのを覚えている。しかし、それでも巻き返して今がある。今も地獄のような裏切りにあっているけどもそれでも私は勝つし、乗り越えていくだろう。
これも普通なら逃げるだろ!!という所で
私も辛いけど辛い人も他にいる
そういう人達のためにも負けられんぞ
と思ってしまうのだ。
一言で言えば非常にタフだ。このタフさは三つ子の魂百までではないが、子供時代に父親が私を裏切り、そして周りの大人が助けてくれず、自分なりに全力を尽くさなければならなかったからだろう。私にとって父は裏切り者で、母は子どもの頃から支えるべき存在だった。そのような時代が私に不幸にも乗りかかりそれを
乗り切れてしまった
からこのようなタフさが身についたのだと思う。だが、このタフさは祝福であると同時に呪いでもある。
どれだけ辛くても自分より他人を優先せよ
というのは仕事においては非常に役に立つ。私が営業マンとして成功出来たのもこの特性があるからだ。仕事をしていて自分がしんどいことがあっても相手を優先する。相手はお客さんだったり、部下だったり、上司だったりする。そんな人は成功して当然だろう。
私は新卒時代、会社にお金が無くて、自分にもお金が無くて、その上大学時代から大好きで付き合っていた彼女と別れたその日、眠れず悲しかった。それでも出社したらそんな弱音は一切吐かずに笑顔で仕事ができていた。そら、成功するわ。
睡眠時間が3時間しか無くても、お金も無くても、いじめられていても、それでも希望を見て突破してきた。
自分がしんどくて辛い、よりも他人を優先したら資本主義社会では成功して当たり前だ。
やりがいが感じない
眠い
辛い
なんどか面倒くさい
仕事をしていると自分にとっての面倒くさいことが山の様に押しかかってくる。だがそんな物を優先しても仕事では成功しないのでお客さんや勤め先の社長が喜ぶ事をする。自分のストレスよりも相手の喜びを優先する人が成功する人だ。
しかし、
どれだけ辛くても自分より他人を優先せよ
というのは他人を優先すべき時(主に仕事の場所)では役に立つが、自分のストレスをちゃんと認識して癒やす時には呪いとなる。心の底から
どれだけ辛くても自分より他人を優先せよ
が入り込んでいると、本来辛いときは辛いと言っていい場所ですら辛いと言えなくなる。死ぬほど辛くてお医者さんの前に診療を受けに来たのに、ついついお医者さんが喜ぶようなことを言ってしまう、という事が起きる。辛くて悩み相談がしたくて友人と話してるはずなのに、知らない間に友人の悩み相談になっていた、と言うようなものだ。
このあたりの細かい心理は下記の自分のブログにも書いた。
心の問題を解決したかったらカウンセラーやコーチの前で良き患者になってはならない。アリスミラーの才能ある子のドラマを読んで。
心の問題を解決したかったらカウンセラーやコーチの前で良き患者になってはならない。アリスミラーの才能ある子のドラマを読んで。
親に捨てられた子どもでなおかつ利発な良い子は、本来子どもとして辛いという前に相手の機嫌を伺い、相手の期待に応えてしまう。この能力が発達しすぎると自分が辛いときに辛さを実感出来なくなる。
簡単に言うと
助けてほしい時に助けてくれ
と言えなくなる。そうすると清水さんのように仕事でも成功してしまってるように見えると
あの人はどんなことがあっても大丈夫
あの人は常に笑顔だ
という風になる。これは仕事ではアリなのだけど、家族、恋人、友人関係においては辛いとか苦しいという話をちゃんと話す機会すら想像しなくなるので知らない間にとんでもないストレスが溜まる。更にいうと自分から辛さや悲しみを告白しないために本当の友人関係や信頼関係を結びにくい。
そうなると余計に
助けてほしい時に助けてくれ
と言えなくなる。仕事で成功する代わりに孤独を抱える人が多くなるのはこういう心理が働いているのだろう。
簡単な例を挙げると、清水さんの文章や動画は非常に相手の心の琴線に触れる。感想もいっぱいくる。励まされたり、泣きましたとか、慰められました、と言う感想がたくさん来る。私はそういう能力が長けている。しかし、自分に対して「清水さんは悲しんでる?辛い?」と聞く能力は封印されているようなものだ。
これは非常に問題で、人生という長距離マラソンを走るのが辛くなる。苦しいときは苦しいと言って、たまに休まないとどこかで過労で倒れるだろう。
大変ありがたいことに、このクソしんどい時期に私は友人に恵まれていてここでは書けないほど辛いことを聞いてくれる人達がいる。残ってくれた平田さんや榊原さんもそうだし、新しく活躍してくれているスタッフ達も想だ。烏賀陽さん、安冨さん、本間さんという著者達も気にかけて話を聞いてくれる。
そういう人達がいないと、清水さんはどんなに辛くても笑顔で頑張ってしまい、あっという間にぶっ倒れていただろう。恐ろしい事だ。
父親に捨てられて地獄のような思いをしたことは私に世間で成功する能力を与えるきっかけを与えてくれたが、自分自身を慮って大事にするという能力は大きく奪われた。これが私にとって祝福であり呪いだろう。
私が手にしたものは
1 自分が辛くても寂しくても他人が笑顔を求めてるなら笑顔でいられる能力
2 高ストレスに晒されても乗り切るパワー
3 自分がしんどくても他人の気持ちを慮る能力
4 感情に振り回されず分析し、思考する能力
だけども、これは本当に仕事で成功するのには役に立つ。だけども、自分を慮る能力としては機能しない。かつてビジネスの先輩が新人時代に私を
タイヤもない、シャーシもない、ドアもない、エンジンだけで時速300キロ出す化け物
と評価したことがあるが、本来はタイヤもシャーシもあったほうが走りやすいに決まってる(笑)
このような呪いと祝福があると認識していないと、自分の辛さや悲しみを無視してしまうので「本当にやりたい事」というのが見えなくなりやすい。
嬉しい楽しいやりたい事というのは、自分の感情をしっかり認識してる人だけがちゃんとわかるものだ。自分はこういう悲しさ、辛さ、怒りを感じる人だ。と自分のネガティブな本音もわかる人こそ、私はこういう事に楽しさや喜びを感じる、という本音も分かる。
多くの人は嬉しい楽しいだけを感じたいと思っているけど、それは無理だ。恋愛だって悲しいことも辛いこともあって味わい深い恋愛になる。それを全て取り除きたいなら風俗へ行け、と言う話になる。だがそれは恋愛ではないのだ。
だから私はこの友人に裏切られたり、色んな人に傷つけられた時期だからこそ、自分の辛さや悲しみをしっかり感じる必要があるなと思った。この時期に無理をしたら乗り切れても私は私を不幸にするだろう。それが自分に嘘をつかない、という事だ。
また、子供時代に大変な苦しみを負った人は私の様に仕事で成功してその苦しみにベールをかけるか、仕事で成功しないと言う選択肢をとってベールをかける。親に愛されなかった復讐を別の権威者、上司などに対して行う。
本人としては一生懸命やってるつもりだけど失敗を繰り返す人がいる。それは一生懸命やってるけど失敗した、それでも認めて欲しい、という欲求だ。これは仕事では役に立たないけど、仕事に役に立つ形で子供時代の苦しみを利用しているという点では同じだ。
自分が子どもの頃にどのような祝福と呪いを受けているのか、という事をちゃんと認識しておくことは自分自身にとって救いとなるし、更にいえば本当にやりたい事も見つかり易く、人生の幸福度が増す。過去を見る事は過去に浸るだけなら意味は無いけど、未来の人生を豊かにするためならとても価値があることだ。
自分の過去は変えられない。だけど解釈は変えることができる。自分が持ってるものを役に立つところでは役に立たせて、立たないところで使わない、という風にするしかない。
私は父親も母親も仲良い、私が子供時代に子供のままでいられたifの世界を欲するけど、残念ながらそれはどこにもない。どこにもないことを嘆いてかまってちゃんになるくらいなら、その過去の苦しみから得られたものを未来に活かしていきたい。
参考図書
新版 才能ある子のドラマ―真の自己を求めて アリス ミラー
http://amzn.asia/d/63bMHaS
生きる技法 安冨 歩
http://amzn.asia/hmiH2br
生きるための論語 (ちくま新書) 安冨 歩
http://amzn.asia/dedGo5t
清水有高プロフィール
清水有高プロフィール
会ったことがない人の場合、スパム防止のためにFacebookの友達申請は記事にイイネ!&友達申請してくれた人に私が承認するようにしています〜^^
清水 有高Yukou Shimizu
ビ・ハイア株式会社 代表取締役
一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。
新着記事
-
2020.03.04 WED
-
2020.02.24 MON
人気ランキング
-
2016.05.05 THU
-
2016.05.22 SUN
-
2017.07.18 TUE
-
2014.04.10 THU
-
2014.12.10 WED