2018.09.10 MON - 速読多読コーチング
心の問題を解決したかったらカウンセラーやコーチの前で良き患者になってはならない。アリスミラーの才能ある子のドラマを読んで。
例えば学校の教師。教師は生徒を教えるためにいて、わからなければ教えてもらえる存在のはずなのに、教師を喜ばせるための行動ばかりとる。教師が喜ぶような答え方、質問の仕方をする。例えば医者。医者は健康になって欲しいと患者さんに望んでいるので、本当は辛いのに無理して元気になりました、薬が効いてる気がします、と言う。
もっと悲惨なのはカウンセラーやコーチの前でもこれをやってしまう人。心理的な自立、成長、癒しを求めてクライアントとして赴いているはずなのにカウンセラーやコーチに褒められるための言動ばかりするようになる。そうするとカウンセラーやコーチが喜ぶし、本人も心の中の問題が解決したような気になる。しかし、結局問題にベールをかけただけで問題は解決せず、カウンセラーやコーチを転々とする事になる。
アリスミラーの才能ある子のドラマにはそういう事例が書いてあり、なぜそうなるのかということが書いてある。セミナー難民になってる人はこういう人たちなんだろう。
私に相談しにくる人たちも、例えるならば足を骨折して歩けないくらいしんどいはずなのに
ちょっと足が痛くてね。歩こうと思えば歩けるんです。でも治したくてね!
とギプスはめて松葉杖をついてるのに強がりを言うような人がたくさんいる。物理的な骨折であればそれはわかりやすいけども心の中になるとなかなかこれはわかりにくい。物理的な治療をする医者の前ではなかなかこう言う問題は起きないし、起きたとしても物理的なのでわかりやすい。カウンセラーやコーチだと内面が見えないので問題もわからない。
高い金額を払って自分を変えるために行ってるはずなのに、変わらない自分を自分のせいと思っていたらこれは重症である。医者に行って骨折治してもらうために行ったのに診察を間違えて治らないうちに歩こうとして足が痛かったら流石に医者の責任もあるだろう。しかし、内面だとこれがわからないのだ。そのうち転々として心療内科に行って麻薬もどきを処方される事になったら馬鹿馬鹿しい事この上ない。
心の成長や問題を解決しようとして解決しなかったらそれはカウンセラーやコーチの責任であり、クライアントの責任ではない。て、当たり前やん!(笑)当たり前なんだけど、これがなかなかわからない人がいる。お金を払ってるのに、良くならないのは自分のせい、、、と責めてしまうクライアントのなんと多いことか。本を買って実践したとか、数万程度のセミナーで人生変わらなかった、ならまだいい。何百万も何千万もつぎ込んで解決しなかったらそれは流石にお金を受け取ってる側の問題がでかい。子供の頃に自分の感情を抑圧してしまったために、一人でいる時に本当に辛い、苦しい、寂しいと言うのがわからなくなってしまっているのだろう。
子供の頃になぜそんな抑圧をするかと言うと
そうしないと死んでしまうから
に尽きる。子供の頃に抑圧を解放していい子でいる事をやめると子供は捨てられてしまうのだ。それは死の恐怖である。心の解決はまず自分で自分の辛さをわかってあげて、それを抑圧せず、正しく認識する。その上でカウンセラーやコーチに頼ればいい。そうすれば複雑骨折してるのに「ちょっと捻挫した」と嘘をつかなくて済むのだ。痛みが正しくわかれば人間は治療に向かう。ただ、少なくともコーチは無意識にまで介入するとか、人生を変えるとか、絶対変われるというならここまできちんと見るべきだろう。患者さんの無意識の強がり、欲求を見抜く必要がある。
しかし、難しいのはカウンセラーやコーチもこの患者さんの強がりに対して共犯関係を作ってしまうから分かりにくいという事だ。下記はアリスミラーの才能ある子のドラマの35ページから36ページからの引用です。()内は私の補足
療法家の無意識(療法家が無意識にクライアントに期待する)に反応する「感度」のよい患者さんは、即刻反応するでしょう。そのような患者さんは、療法家が、患者に早く自律的な自信をもった態度になってもらいたいと切望していますと、すぐに「自律的」な気分になり、実際にもそのような行動をします。引用終わり。
患者にはそれができます。相手がしてほしいと思っていることは何でもできるのです。けれどもこの「自律性」はそのうち抑うつ状態と化します。それは真の自律性ではなかったからです。真の自律に至るには、まず自分の依存性を体験することが不可欠です。子どもとしての依存状態特有の好悪半ばする非常に複雑な感情を越えて初めて、真の解放に至るのです。患者は自分のかかっている療法家が身につけた武器、つまりその療法家の考え方、そしてつまりは期待に添うような「材料」を提供することによって、その療法家の抱いている、保証、反響、理解され、まともに相手にしてもらいたいという願望を充足させることになります。
療法家はこのようにして、 子どもの頃自分がされたと同様の無意識の操作を行うのです。そのような療法家は、意識的に自分を操ろうとする試みは、おそらくとっくに見抜くことができ、そのようなものには煩わされなくなっていることでしょう。また、自分の意見を表明し、それを貫徹することも学んでいるはずです。けれども、無意識の操作をそれと見抜くことは、子どもには決してできません。それは子どもの呼吸する空気なので、その子は他の空気を知らず、その子にとってはそれだけがまともな唯一の空気なのです。 私たちが成人の後、療法家となってもこの空気の危険性に気づかないとき、何が起きるでしょう。私たちは何も考えぬまま他の人もその空気にさらし、それを、その人たちのために最善のことをしたのだと称するようになるでしょう。
特に独立仕立てのコーチやカウンセラーは実績が欲しいし、お客さんに感謝されたい。だから目の前にいるクライアントの真の本音を見抜くよりも、クライアントのうわべの強がり「心が軽くなりました!」「うまくいきそうな気がします」という言葉を信じたい。だがそれは職業倫理としてはあってはならない事だろう。これはとても勇気がいる事で、クライアントはうわべの強がりを認めてくれると気持ちいのだが、本音を指摘されると嫌がる。つまり、クライアントの嫌がる事を指摘する必要がある。
例えばコーチはクライアントの利益100%考えて行動する、というのがあるけどもうわべの強がりも、真の本音もどっちもクライアントの本音なのだ。カウンセラーだって似てる部分がある。
これをバランスよく捉えて相手を導く必要がある、、、と書いたがこれってめちゃくちゃ大変な事です。クライアント側はカウンセラーやコーチにお金を払ったら本当に望むものが手に入ったか?と考えるべきだし、お金を受け取った側も本当にクライアントは良くなったのか?と自問自答し続ける必要がある。
その職業倫理がなければカウンセラーもコーチもクライアントの傷を食い物にする悪逆の輩に過ぎない。だが、ややこしいのはこのカウンセラーやコーチはまさにアリスミラー に書かれているように
その人たちのために最善のことをしたのだと称するようになるでしょう。
というのだ。私は全力を尽くした、いい事をしてる、と。この共犯関係は日本ではカウンセラーやコーチ、広い意味では自己啓発に含まれる市場自体が小さいためにそこまで発見されない。だがカウンセラーやコーチ、自己啓発が市民権を得るためにはこういう問題に真摯に向き合うべきだろう。私は少なくともお金を払ったカウンセラーやコーチの働きが悪く、クレームを言ったことがあるがどれだけクレームを言える人がいるのだろうか?なんて書いたら誰?!て気になるだろう(笑)けども問い合わせても答えませんよ。だってその人達個人攻撃したいわけではないからだ。
心を健康にする職業についてる人たちが日本でもっと活躍し、日本で心が健康な人が増えるためにもこの文章を書いた。
すげーーーーーーー単純に要約すると
痛い時、辛い時は全力で「痛い!」「辛い!!」と言えばいい。
言えないのは子供の頃の抑圧があるから。
そこから解放されて「痛い!」「辛い!!」と言えれば人間は勝手にその痛みや辛さを取り除くようになるよ、ということ。
今日も読書!
アリスミラー 新版 才能ある子のドラマ―真の自己を求めて
https://www.amazon.co.jp/dp/4788505541/ref=cm_sw_r_cp_tai_LrqLBb4GCWR4X
追記
痛くても辛くても頑張れる!はお金を受け取る側としては美徳かもしれないし役に立つけど、それ以外では害悪になる場合が多いよ。
報酬貰って多少しんどくてもヤルぜ!は役立つ。年収あがる。
お金払ってしんどくなって我慢してたらカモられるだけよ。
清水有高プロフィール
清水有高プロフィール
会ったことがない人の場合、スパム防止のためにFacebookの友達申請は記事にイイネ!&友達申請してくれた人に私が承認するようにしています〜^^
清水 有高Yukou Shimizu
ビ・ハイア株式会社 代表取締役
一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。
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