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2014.04.08 TUE - 読書ブログ

いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと、30歳サラリーマンは、年収1000万円でも破産?

いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと、30歳サラリーマンは、年収1000万円でも破産という本を読んだ。当たり前の生活、と言う風に紹介されているのは

適齢期が来たら結婚する
結婚して何年かしたら子供をつくる
更に何年かしたら2人目、3人目をつくる
男性は一家の大黒柱、女性は専業主婦
マイホームを買う
生命保険に入る

等々です。当たり前の幸せ、というよりは世間の常識的な生活?と言うモノでしょうか。こういうのを追求していると年収1,000万円あっても、老後まで足りませんよ、と書かれています。私としては全ての人が適齢期が来たら結婚するという常識のほうが不健全だし、男性は一家の大黒柱、女性は専業主婦、という常識を当たり前の幸せとするのは非常に違和感があるけど、大多数の人が何となくイメージしている家庭像、と言う意味で捉えるなら賛成だ。

この本にも書かれてるけど、年収1,000万じゃ足らないんだよね。本当に。

自分の親の老後にかかる費用
配偶者の親の老後にかかる費用
自分と配偶者の老後にかかる費用
子供の教育費と独立までにかかる養育費
マイホーム購入費用
生命保険加入費用

などを冷静に足し算していくと簡単に1億、2億と超えていく。これらを40年ほどで払いきると考えると月々300万とか、500万とかかかる。それらを手取りで『一家の大黒柱』が稼ごうと思うとリアルに年収1,000万でも足らないと言うことがわかる。しかも、これから社会保障費も税金もドンドン上がり、手取りが下がる。そういう時代に生きているというリスクは殆ど考慮されていない。

なぜか、計算もせず、国家のリスクも考えず、働き、給料を使う。私は自分の会社で雇う新卒達に最低でも年収1,000万以上、出来れば3,000万以上を目指そう!と言ってる。私はこれからの日本で生き抜いていくためには最低限必要なお金が『1,000万以上』だと思うのだけど、殆どの人にとって年収1,000万、3,000万というのは『なれたら嬉しいあこがれの金額』だと思ってる。

大学の学費だけではなく、高校中学の学費も上がっているこの時代に、子供を産んでも中卒でいいというならもっと安くて済むかもしれない。年金や医療保険が破綻しても親の老後の面倒なんか一切見ない!というならもっともっと安く済むだろう。更に、自分は一切病気にならず、家族の健康は完璧で、高騰する医療費は死ぬまで一切払わなくていい!という確信がある人なら更に更に安くなる。でも、そんなわけはないだろう。

無意味な決めつけによる常識的な幸せのイメージに踊らされ、何となく生きることは恐ろしい。自分の人生を一つ上の視点から見て俯瞰し、働き、生きるって大切だよね。こういう本がなくても、読書をしていたらフツーにそういうことには考えが及ぶと思うけど、そういう視点を持つためにはいいきっかけとなる本かもしれない。

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清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。

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