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2014.04.03 THU - 読書ブログ

年収700万のリアルは、なぜ年収700兆円のリアルではないのか?

年収700万円のリアルと言う本を読んだ。一昔前は自己啓発本と言えば年収1,000万円本が多かった。もはや1,000万では実感がわかないので、最近はタイトルも下がってきてるのだろうか。もっとも、今回の700万円本は自己啓発本と言うよりは生活本、やりくりするための家計の本という要素が強いかもしれない。

ちなみに年収1000万円でAmazon検索すると249件出てきた。年収300万だと142件、年収5000万だと57件、以下、年収1億→88件、10億→33件、100億→6件、1000億円→25件、1兆円→0件、100兆円→0件となる。つまり、金額が上がれば上がるほど本は少なくなっていく。売れる本というのは読者にとって臨場感を感じて、共感を覚える本だろうから、年収が高くなればなるほど臨場感が減るのだろう。

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前から思っていたのだけど、どうして年収100兆円を目指す方法!とか、総理大臣のなりかた、独立国家を作って国連に加盟する方法、東京大学を超える大学の作り方、とかそういうのがないのだろうか。そんな本があったら絶対に面白いし、私は少なくとも買う。でも、存在しない。多分売れないんだろう。ぶっ飛んだ本であればあるほど面白いと思う。年収300万の人が、年収400万になる方法を読んで果たして何になるのだろうか・・・それでも向上心があるだけマシだ、と思うかもしれないけど、ちょっとしたアップは現状の延長線上に過ぎない。自分の悩みや苦しみを全て一発で解決し、あり得ないくらいハッピーでエキサイティングな人生を歩むためには現状を超えた何かが必要だ。

現状の自分で悩んでいることは、年収が300万が400万になっても殆ど解決しない。1000万になっても解決しない。3000万になっても殆ど変わらない。3億円になったら何か変わるかもしれない、、、と思うかもしれないけど、実際変わらないだろう。というか、そもそも年収で何かを計っている時点で金銭、年収という現状の延長線上だ。中央銀行総裁になるとか、貨幣経済や資本主義を終わらせるくらいのインパクトがないと結局現代社会の悩みからは何も解決されない。
そんなことを知識で分かっていたとしても、実際に現状を超えようとすると人は躊躇する。例えばうちの会社で良くある会話がスタッフの報酬に関する会話だ。例えばスタッフと昇給の話をしている際に、スタッフから月給50万位を基本に、インセンティブ・成果報酬で10~30万欲しいという要望があったとする。私は殆どの場合それに対して『少なすぎる。そんなんでいいのか??』という。そう言うと、言われた本人はヤッター!と喜ぶのではなく、戸惑い、狼狽える。自己評価以上の評価をされると、例え上の評価でも嫌がる。これは成長し続ける、と言う点において非常に勿体ない。

自己評価というのは常に現状の自分がしてるのだから、無理矢理にでも上げていかないと変わらない。そういう知識を持っていても、実際そういう時に直面するとビビる。それが人間なのだろう。その現状を超える時のビビりを少しでも減らすことは、現状を超えた読書だと思う。例えば新しい知識を増やし、年収1億円の人がごく普通の人であると知れば『俺にも出来るかも』と思いやすい。何も知識が無いと情報ゼロの新天地で恐ろしい世界になるけど、少しでも知識があると恐怖が減る。現状をドンドン超えて新しい自分になるためにも、色んな本を読んだ方がいいよな、と実感した読書だった。
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清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。

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