2017.05.02 TUE - 読書ブログ
人間がお金の不安を持つのはノーベル経済学賞のプロスペクト理論で説明出来る
生涯で、というとピンとこないかもしれないけど、月に使う生活費が20万の人が、貯金ゼロで給料日に20万振り込まれて不安が消えるか?消えない。しかし、40万あれば不安は結構減るはずだ。20万振り込まれても、だって1ヶ月でゼロになる。。と人はちゃんと理解してる。それが無意識レベルで生涯までちゃんとわかってるのが人間の脳だ。
じゃあ、5億純資産があれば不安が消えるのかというとそうではない。純資産が5億円もある人は大抵生活費が高い(笑)仮に30歳で成功した人を仮定する。年収1億円純資産が5億円の人がいて、その人が月間200万円生活費に使うとする。その人が50年間で使うお金をざっくり計算すると年間だと2400万なので生涯で12億円。こう言う人は5億では不安になる(笑)12億円の2倍、24億円ないと人間は不安になる。実際に、私の知り合いで年収5000万とか、1億の友人知人はたくさんいる。資産だって普通の人の何倍もある。しかし彼らはいつも不安だ。これはもう仕方ない。
新卒で入社して生活レベルをそこまで上げずに生涯を暮らすとして、その時点で5億円ほどもっていたら大体不安は消える。が、こんな人いるわけがない。お金の不安に突き動かされてたくさん稼ぐと、ストレスが溜まるのでいいお酒を飲んだり、いい家に住んだりして生活費があがるので結局5億では足らなくなる。そしてまた稼ぐ。そしてまた不安になる。そしてまたまたストレスが溜まってお金の不安が増える。また、稼ぐと言うラットレースへようこそ(笑)
ウォール・ストリートの人たちが年収1億、10億、100億になってもまだまだお金が欲しい!となるのはこれが理由。彼らは年収10億稼いでも、所詮は10億しかない、、、とマジで不安に思ってる。お金の不安を消したかったら5億さっさと稼いで、生活費を削って節約するしかない。
お金の不安がある知人にこの話をすると「なんて夢のない話だ」と嘆いていた。嘆いてもそう言うもんだからしかたない。だって人間だもの(笑)私のビジネスも数年は新規の売上が上がらなくても食ってけるだけのお金があるけどそれで安心なのかと言うとそうじゃない。数年じゃダメ。数世紀分くらいないとダメなもんなのだ。いかにお金の不安に突き動かされて働くのが馬鹿らしいか。だって、稼いでも稼いでもその不安は消えないのだから。
逆に考えるとこれは救いにもなる。ずっと消えない不安、悩みとわかったら不安に感じて悩むだけ無駄ということだから悩むのをやめたらいい。いつか星空が落ちてきたらどうしようと悩んだ中国古代の人がいた。それが杞憂の語源。お金の不安なんてそれと同レベル。
でもなあ、こんなことで納得して不安が消える人は最初から論理的で不安が少ない人だ。人は今日もお金の不安が消える何かを求めて幸せの青い鳥を追い求める。そんなものはないのになあ。どうせ人生最後は葉巻と同じで悩みも灰になる。今日も読書だな!
清水 有高Yukou Shimizu
ビ・ハイア株式会社 代表取締役
一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。
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