2016.05.22 SUN - 読書ブログ
毒親 脱出!娘に自信が無いのは親のせい『毒親の棄て方〜娘のための自信回復マニュアル』スーザン・フォワード
『毒親』の元祖
こんにちは!一月万冊の大山です!今日は、
『毒親の棄て方〜娘のための自信回復マニュアル』
スーザン・フォワード著をご紹介したいと思います。「毒親」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今ですが、この著者、スーザン・フォワードさんが最初に使ったのが「毒親」という言葉が一気に広まるきっかけになったと言われています。
スーザン・フォワードさんはアメリカで医療機関のコンサルタント、グループセラピストとして活躍している女性ですが、1999年に『毒になる親』という本を執筆し一躍話題になりました。それまでは、親から子供への虐待は殴る蹴るなどの肉体的虐待・性的な行為を強要する性的虐待・親としての義務を放棄し子供に食べ物を与えないなどの義務の放置による虐待が代表的なもので、言葉や態度によって傷つけたり自信を失わせてコントロールするような精神的虐待は、それほど注目されていませんでした。
毒親という言葉のセンセーショナルさももちろんですが、精神的な親からの圧迫も、子供にとって虐待になるという概念を提示した本なので、これもぜひ読んでみていただきたいと思います。そして、その続編とも言えるべき作品がこの『毒親の棄て方〜娘のための自信回復マニュアル』です。
虐待と認めたくない子供
「毒親」という言葉が初めて出たのが1999年、精神的虐待について認知され始めたのも2000年代に入ってからと、ごくごく最近の話です。その理由には、肉体的なものや性的、義務の放棄などと違い、精神的虐待は子供の外見にそれらの虐待の証拠が出にくいということが上げられます。
何か目に見えておかしなところがないと、学校や周りの大人が気づいて上げられないということも往々にして起こりえます。そして何より、子供自身が自分が親による虐待の被害者だと認めたくないと思っていることが大多数なのです。
私は、母に認められたくて褒められたくて仕方ない子供でした。それは間違いなく、母が大好きだったからです。最初から母を嫌いだという子供はいません。子供は、親を好きになるようプログラミングされているのだと思います。何が好きとかどこが好きとかではなく、無条件に大好きで、無条件に気に入られたかった。
だから、母が喜んでくれるように勉強も塾も頑張って、塾で一番勉強ができると先生に褒められるまでになりましたし、習字や標語、絵画のコンクールにも出品して金賞を取ったりしていました。全ては、母に「よくやったね。」という一言をもらいたかったためです。
「自分が悪い」と思わされている
しかし、母はついぞその言葉を言ってくれることはありませんでした。スポーツができて幼稚園でも一番園長先生と仲が良く、闊達で目立っていた妹に母はかかりきりでそれこそ溺愛していましたし、妹が何か悪いことをしても全部姉である私のせい。
外に出て男女関係なく目一杯友達と遊んでいるような妹と比べて家や図書館で本を読むのが好きなインドアな私は、もともと華やかなバブル時代を生きて、オシャレで気の強い母から見たらぱっとしない娘だったのかもしれません。
何かにつけて
「愚図だ」
「父親に似てマイペースで、私には全然似てない。あんたはパパの子。私の子じゃ無いわ。」
「私がやってあげないと何にもできないくせに、きちんと言うとおりできないなら出て行きなさい!」
と怒られました。
母の求めるとおりにできなくていつも怒らせて、
「あんたがこんなに怒らせるからストレスでママの心臓が悪くなって死んだらどうするの!?」
と言われ続け、ずっと「私が駄目な娘のせいで母に嫌われているんだ。私が居なくなっちゃえばいいのに、居なくなる勇気が無くて生き続けて、なんて私は独りよがりなダメな子なんだろう。」そう思い続けてきました。自分が悪い、そう思っているからこそ、それが親が子供をコントロールするための精神的虐待だということに、大人になるまで気づくことが出来ませんでした。
親を棄てることは子供時代の悲しみと決別すること。あなたが人生の主役!
精神的虐待のポイントは、徹底的に言葉や態度によって子供の自信を奪い、自立性を奪い、親に依存させた上で無力感を味わわせて親が子供を自分のコントロール下に置くことです。それは、物理的に子が親元にいるときのみならず、独り立ちをして離れて暮らしてもずっと子供の心をむしばみ続けます。虐待に全て共通することですが、暴力を振るわなくなったり、性的な行為を強要しなくなったからといって、全て画解決するわけではなく、むしろその時に受けた心の傷の方が深く重く離れても、大人になっても、自分が子供を持つようになったとしてもずっとつきまとってくるのです。
ですから、親を棄てるというのは物理的に親を乳母棄て山に棄てようと何も解決しません。
親に蝕まれた子供時代の心を大人になった自分が救い出して、悲しみと決別し、親の支配から抜け出して自力で生きていくと決意することこそ、親を棄てることに他ならないのです。
その過程で親との連絡を絶ったり、自分のやりたいことを見つめ直して育った環境とは全く関係ないところに挑戦して見るのは非常に有効だと言えます。その第一歩のためにこうして、同じような体験をした人の体験談を知り、自分の子供時代も精神的虐待の渦中にあったのではないか、と意識に上げる事が重要です。そのためにも、私の体験も役に立つように。また、私の毒親脱出の一環として子供時代と向き合うために書き続けていきたいと思います。
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