トップページ  » 読書ブログ  » 会計が分からないと経営者になれない 京セラ創業者 稲盛和夫

2014.03.08 SAT - 読書ブログ

会計が分からないと経営者になれない 京セラ創業者 稲盛和夫

京セラ創業者の稲盛和夫さん本を読んだ。そこに『会計が分からなければ経営者になれない』という一文があった。これは全くもってその通りなんだけど、これを読んで一人5万円以上するいわゆる自己啓発セミナーに招待されたので聞いていたときの事を思い出した。聴講生は100人くらいはいたと思うのだけど、そのセミナーは『いかに経済的に成功するか』という感じのタイトルがついていた。そこで講師の人が『では、お金持ちになりたい、経済的に成功したいなら、最低限簿記2級くらいの知識は持っている筈です。だって、その知識が無いと自分がどれだけ儲けてるかどうかが分からないからね。』と切り出した。そして『では、簿記2級くらいの知識をもっているという自負がある人、あるいは資格を持っている人拱手してください』と言った。なんと、1割くらいしか手が上がらなかった。

お金持ちになりたい、経済的に成功したいというのに、その指標をしっかり計る知識が無い人が殆どなのだ。では、この人達は一体何をしにきたんだろう。どうやら、自分の中のお金持ちはこういうものだ!いくら資産を持っていて、その資産の内訳がこれだけで、こういうお金持ちになりたい!というイメージが全くない。でも、イメージはないのだけど、とにかくお金持ちにはなった方がいいらしい、だからお金持ちになりたい!という内面を持った人が殆どらしい。

もし、受験勉強をしている学生がいて、とにかく高得点をとりたいのだけど、なんの科目の勉強なのかも分からないし、どういう基準でその点数を測るかも分からない、でも、とにかく高得点をとりたいんだ!と言う人がいたら普通なら唖然とする。お金持ちになりたいという人は沢山いれど、殆どがそういうレベルなんだ、と妙に納得した。ちなみに、そのセミナーはそこから『じゃあ、正しい知識を身につけましょう』『簡単に儲けられる方法があるよ、と聞いて騙されるよりしっかりした知識を勉強しましょう』という話に展開するまともな内容だった。

しかし、、、世の中に『こうやれば利益が上がる!売上が上がる!』『金持ちになるためにはこれをやる!』という本は沢山あるしドンドン出るけど、お金を稼ぐためには会計くらい勉強しようよ、というあたりまえのことを言ってる本はかなり少ない。きっと人気が無いのだろう。簿記とか会計勉強するより、念じたら金持ちになる!という本の方が簡単で人気が出る。結局、成功している人と言うのは地道な基礎をみっちりやっていたりするモノだ。さあ、明日もまた読書をしよう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

清水 有高Yukou Shimizu

ビ・ハイア株式会社 代表取締役

一月万冊 清水有高(しみずゆうこう)滋賀県出身。元不登校児、母子家庭育ち。ビ・ハイア株式会社代表取締役。滋賀県立大学人間文化学部卒業。ベンチャー役員、上場企業役員などを経験しコーチ、投資家、経営者として活動中。東京大学を始め各種大学でも講演多数。コーチングと読書を経営に活かし営業利益1億円以上、自己資本比率70%の会社を経営。8年間でスタッフ1人あたりの営業利益を100倍以上にする。

新着記事

人気ランキング